83 ユミコ

(突如登場した「ユミコ」に混乱するオタクちゃんこと真野と、なぜ真野が混乱しているのかピンときていないギャルちゃんこと有紗)


「ゆ、ユミコ……? だ、だれ……?」


「小学校低学年のころ、うちの近くにあるなんかの会社の社宅に、同い年のユカコとユイコっていう双子が住んでてさ、めちゃめちゃ仲良しだったんだけどいわゆる転勤族ってやつで……引っ越していくときにあたし『ユミコになってついていく!』ってギャン泣きしてさ。それっきりなんだけど、ユミコって名前そのときから憧れなんだ」


「そうなんだ……大事な友達だったんだね」


「でもうちの親ほぼヤンキーじゃん? ユカユイ姉妹のお父さんお母さんにはよく思われてなかったらしいよ」


「そっか……わたしはなんて名乗ろうかなあ」


「タガミーはやめなよ。マヤちゃんホムペでもタガミー名乗ってるじゃん、あれやめなよ」


「そう……そうだね。タガミーは嫌だね。じゃあ……カガミにする。『空に登る月星』でラスボス倒すとき神々の鏡って使うから」


「いいじゃんカガミ! 名前にもかかってるしすごくいいよ!」


「よし。ペンネームは決定。サークル名考えないと」


「そうだった……」

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