81 孤高の人
(画材屋でもらってきた同人誌即売会の申し込み書類を前に難しい顔をするオタクちゃんこと真野とギャルちゃんこと有紗)
「書類自体は悩むことはないよ。ふつうに住所とか電話番号とか名前とか書いていけばいいんだから。問題はサークル名だ。あとサークルカット……」
「スペース代を定額小為替で支払うってなに? 生のお金入れちゃだめ?」
「生のお金は郵便で出しちゃだめだよ……なんか、お金に換えてもらえるチケットみたいなやつだったと思う。郵便局で手に入るって去年のカタログに載ってた」
「かたろぐ?」
「これ。入場券を兼ねてて、一般参加だと一冊300円で買わなきゃないの。サークルカットが載ってて、どのサークルにどんなものが置いてあるか分かるの」
「へえー! 面白! 見せて見せて!」
「はい」
「ほー……え、名探偵くんとか海賊とかも、び、BL? にしちゃう人いるの?!」
「どんな作品でも男が二人いればBLにしちゃう人種もいるんだよ」
「いろんな人がいるね……」
「わたしはそれは好きじゃないと思って逃げ出したわけ。わたしは静かにただシギくんを愛でられればそれでいいの」
「マヤちゃん、孤高の人だ……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます