76 魔法学校

(思い出の児童文学の話ができると思ったら違ってガッカリするオタクちゃんこと真野と、ガッカリされて驚くギャルちゃんこと有紗)


「そっかあ……魔法学校シリーズ面白いよ、いまなら読めるんじゃない?」


「無理無理あんな分厚いの! 絵本の『魔女入門』が面白い人間だよ、あたし!」


「いやいや難しくないよ、魔法学校シリーズ。現代文の教科書にガチの文学載ってるでしょ、あれが読めたら余裕だよ」


「うう……そこまで言うなら一巻だけ読んでみようかな……図書館にあるかな?」


「貸そうか? うちに途中まであるよ」


「え? あれだけ薦めてきたのに途中?」


「うん、最終巻は日本だと再来年出るって聞いた」



「まじか! そんな続いてるのあれ!」


(自分の部屋から問題の児童書の一巻を持ってくる真野)


「うわ……やっぱり分厚い……むり……」


「ライトノベルとあんまり変わらないよ。読んでみれば面白いよ! 本の厚さと難しさは関係ないから」


「そういうもんなの……? まあ、マヤちゃんが面白いって言うなら面白いのかな」


「えぅ?!(そこまで信頼されている?!)」


「え?(なんで驚いてるのかな?)」


「と、とにかく面白いから……!」

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