52 開封

(電話のあと冷静になってメールを打つギャルちゃんこと有紗)


「ドールさんの箱開けたいんだけど、なんか勇気出ないから開けるの見届けてくれない?」


(メールの内容にビックリするオタクちゃんこと真野)


「いいよ。いつにする?」


「バイトもなくなったし明日あたりどう?」


「わかった。明日の昼でいい?」


「オッケー。待ってる」


 ◇◇◇◇


(翌日、有紗の部屋にドールのふみちゃんと集合した真野)


「この箱どこから開けんの? なんかハリガネで縛ってあって可哀想」


「ふつうに上から、中の台紙ごと取り出して、裏のハリガネを外すの」


「なるほど」


(箱を開ける有紗)


「おお、まつ毛とか細かいね。ミカちゃんとはさすがにわけが違う」


「そりゃ対象年齢15歳以上だからね。やっぱ服とかよくできてる」


「でもこの子、元気のいい感じも似合いそうだね。お母さんのミシン借りるか」


「アリサちゃんお裁縫できるの?」


「小学生のころ簡単な服ミカちゃんに縫ってた。でももう忘れちゃったかも」


「すごいね、何か作れるってカッコいいよ」


「そうかな? ほぼボロ切れだよ?」


「でもすごいと思う!」


「(そうかな? 面白!)」

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