51 許可

(買ってきたバッグや浴衣を家族に褒められてニコニコするオタクちゃんこと真野、ふいにケータイが鳴り出して電話に出る)


「はーいもしもし」


(半泣き半怒りで喋るギャルちゃんこと有紗)


「バイト、学校にバレてクビになった!!」


「(あちゃあ、いずれこうなるとは思っていたけれど)なにがあってバレたの?」


「たまたま倉庫から品物出してきたとこで学校の先生と鉢合わせした。んで辻堂はアルバイトの書類書いてないよなって。お店の人たちも学校の許可があるって思って雇ってたから。はームカつく、どうせ赤点は回避できてるんだから書類書いてないくらいいいじゃん!! テレビ観てればふつうに高校生バイトしてんじゃん!! バカ高なのにバイトに許可いるってどゆこと?!」


「高校生が労働力として必要じゃない田舎ってことだよ」


「ふむ」


「(お、冷静になった)ここは田舎だから、都会みたいに若者が働かないといけない土地じゃないんだよ。おばちゃんのパートタイマーでじゅうぶん人手が足りてるの」


「マヤちゃんとおそろのバッグ欲しかったのに」


「えぅ?!(わたしとおそろのバッグ?!)まあ、赤点回避して冬休み頑張るしかないね」

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