（押し入れから段ボール箱を取り出すギャルちゃんこと有紗）

（よくわからない顔でその様子を見るオタクちゃんこと真野）

「あったあった、ミカちゃんの服！　あたしだけじゃなくおばあちゃんとお母さんも暇潰しに縫ってたから、すごいいっぱいあるんだ」

「え、このでっかい段ボールひとつぜんぶお人形の服？！」

「そうだよ。小さいころはお母さんのほうのおばあちゃんが元気でね、お人形遊びはオシャレの勉強になるからってミカちゃん買ってくれたの。マヤちゃんは昔お人形で遊んだ？」

「あんまり興味がなくてずっと本読んでる子供だった。だからこういうズレたタイミングでドールさんにハマったわけだけど」

「よし！　ちょっとタンスくさいけどカビは生えてない！　着せ替え大会しよう！」

（段ボールの中身をザーッと開ける有紗）

「すごい。すごくよくできててかわいい。なんだかレトロかわいいのとかブレザースターのやつとかいろいろある！」

「レトロかわいいのはおばあちゃん作。ブレザースターのはワガママ言ってお母さんに作ってもらったやつ」

「ブレザースター、幼稚園のころ流行ったよね。あんまり覚えてないけど、毎週楽しみだったな」

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