14 ドラッグストア

(ドラッグストアで化粧品を物色するギャルちゃんこと有紗)


(その横で目がチカチカしているオタクちゃんこと真野)


「これどう? 安いわりには結構色がつくよ」


「色付きリップクリームかあ、学校でバレない?」


「バレないよ、先生たちだれも生徒なんか見てないもん。近所でいちばんのバカ高じゃん。……ていうかさ、マヤちゃんってなんであの学校入ったの? なんかレベル高いとこでもイケそうなのに」


「あぅ……(中学で保健室登校だったのは黙ってたほうがいいのかな……)ちゅ、中学のときクラスの子とトラブっちゃって」


「あー、そーゆータイプかー! 理不尽だよね、いじめた側はちゃんと行きたいとこに行けるとか」


「や、い、いじめとかじゃなくて。それに高校でアリサちゃんと友達になれたんだからいいんだよ」


「そーなの? えへへーうれしーな。色付きリップと、……いいなあ、マヤちゃん二重だからノリがいらない」


「ノリ?」


「まぶた二重にするやつ。あたし一重だから毎朝まぶた接着してるんだー」


「あぇ?!(アリサちゃんの二重って作りものなの?! 気づかなかった!!)」


(なにビックリしてるんだろ? 面白!)

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