265:ふわちゃんと筋トレオフコラボ!?(中編)

 今回、このゲームを配信する事にしたのにはワケがあります。


「(頼りになるってところを見せるというのもありますが、本当は⋯⋯)」


「(汗をかいた女の人は色気がマシマシになるって綾乃ちゃんが言っていました!!!!

 題して、私の魅力で優希くんをメロメロにしちゃおう作戦といったところでしょうか!!!!!)」


 私の作戦を知っているのはなのちゃん以外にいません。ですが、少しでも私を意識させる事が出来れば私の勝ちです!


 ⋯⋯流石にあのコスプレイベントの女の子みたいにキスするわけにもいきませんし。


「(優希くんのことは好きですが、無理矢理は趣味ではありません!あくまでも純愛です!)」


 そう頭の中で考えながら、コントローラーを操作します。


「それじゃあゆかちゃん、やっていきましょうかー!」

『うん! 頑張るね!』


 そしてマルチプレイを選択して、コントローラーを追加で接続し二人プレイでゲームスタート。


 自分達の設定に応じてトレーニングの強度が変わりますが、私達はいきなり高負荷は難しいと判断し、二人とも一番やさしいものからスタートする事にしました。



「右足を上げて⋯⋯次はひだ⋯⋯り⋯⋯」

『はぁ⋯⋯はぁ⋯⋯ま、まだ30分しか経ってないの⋯⋯?』


 ゲームを開始して30分、私達は既に死にかけていました。


「これで⋯⋯やさしいモードって⋯⋯これ⋯⋯運動不足の人がやったら⋯⋯死にますよ⋯⋯」

『お、思った以上に疲れるね、ふわりお姉ちゃん⋯⋯』

「そ、そうですね⋯⋯す、少し、休憩しましょうか⋯⋯」

『う、うん⋯⋯』


:知ってた

:まぁこうなる

:わい10分やって次の日筋肉痛だったんだが?

:10分ニキはもっと運動してもろて

:二人の上がった息助かる


「ふぅ、お水が美味しいですねー」

『うん!生き返ったって感じがするよね!』


 ゆかちゃんがそう言いながら胸元をパタパタと動かす。


「!?」

『ふわりお姉ちゃん?どうかしたの?』

「へぁ!?な、なんでもないでーすよ!?」

『凄い声の裏返り方してるけど本当に大丈夫?』


 ジト目で私の事を見ながらこちらへ近付いてくるゆかちゃん。


「(あっ、やばいです。なんか良い香りが⋯⋯)」


 ラブコメ漫画の主人公のような台詞が脳内に思わず浮かんでしまうくらい、私の前に良い香りが漂ってきました。


 これがゆかちゃんの香り⋯⋯


 って、ダメダメ!これじゃ私が変態みたいじゃないですか!!


 それに私の方がやろうとしてた事をされてどうするんですか!


「だ、大丈夫ですよー?

 動いちゃったせいか、結構暑いですねー」

『そうだね、汗かいちゃった⋯⋯』


:ゆかちゃんの汗⋯⋯

:ふわちゃん「じゅるり」

:草

:へ、変態だああああ!!!


「って、誰ですか。私を変態にしたのは⋯⋯ふぅ暑い暑い⋯⋯」


 そう言いながらさりげなく、私も胸元をパタパタとして涼しい風を送り込みます。


 ゆかちゃんがこっちを見てくれていればきっとドキッとしてくれるはず⋯⋯


『ふわぁ⋯⋯ポカエリアスおいしいぃ⋯⋯』


 見てませんでした。

 幸せそうな顔をしてポカエリアスを飲んでます。

 とても可愛いです⋯⋯


「ぐぬぬぬぬぬ⋯⋯」


 大胆に見せれば私はただの露出狂⋯⋯わ、私は一体どうすれば⋯⋯



『(あ、あぶなかった⋯⋯!!)」

『(いくらボクが女の子っぽいからっていきなりあんな姿見せられたらびっくりするよ!?)』


 いきなりと言うほど突然では無いにしろ、胸元を広げようとしたところを偶然ボクは見てしまった。


 大事な場所なんかは見えてなかったけど、ちょっと気不味く感じちゃう。


 ボクが一瞬見てた事、気付かれて無いと良いんだけど⋯⋯


 ぼ、ボクが気をつけないと⋯⋯?


 って、あれ?ボクが気にする⋯⋯の?


「それでは再開していきましょうかー」

『う、うん!』

「ゆかちゃんどうかしましたかー?顔が少し赤いですよー?」

『動いたからかも!身体がぽかぽかしてるんだよ!』

「あー、それは分かりますねー

 このまま健康優良児目指して頑張っていきましょー!」

『お、おー!』


 それからボク達は必死になってクエストに喰らい付いた。レベル上げも筋トレ、道中の移動も筋トレ⋯⋯何をするにも動き続けないといけない鬼畜ゲーム。


 途中で脚が震えそうになったり、腕立てして腕がぷるぷるしたりと大変だったけれど、なんとか耐え切ったよ。


「も、もううごけません⋯⋯」

『つ、つかれたぁ⋯⋯』


 配信時間は3時間ちょっととそれなりに長時間で、とりあえずの目標は達成。


 終わったボク達の体はもうバキバキで今にも産まれたての子鹿のようになりそうだった。


「とりあえず、配信はこれくらいにしておきますが⋯⋯ゆかちゃんにお願いがあるんです⋯⋯」

『お願い?』

「わ、私とオンラインでまたこのゲームコラボしてもらえませんか?」

『忙しくなければ大丈夫だよ!ただ、日にちとかは決めて欲しいかも!』

「それは任せてください!運動しっかりして体力お互いに付けましょうねー!」

『うん!』


:あれ?ふわちゃん暴走は?

:ゆかちゃんと一緒にいて、暴走無し⋯⋯?

:あり得ないィィィィィ⋯⋯

:これは淑女

:どうしたふわちゃん、病気か?病院行く?

:みんなふわちゃんのことなんだと思ってんだ!

:やべーやつ

:やべーやつ

:ロリ&ショタコン

:ショタコンだな


「私が普通にやってて違和感感じるってどういう事なんですかね?????」

『ひ、日頃の行い⋯⋯かな?』

「そんなに暴走してないつもりだったんですけどー⋯⋯」

『えっ?』


:えっ?

:えっ?

:えっ?

:えっ?

:えっ?

:えっ?


「この話は終わりです、良いですね?」

『う、うん』


:あっ、はい⋯⋯

:はい⋯⋯

:ひぇ⋯⋯

:殺される⋯⋯


「それじゃあ、今日の配信はここまでですー

 それではみなさん」

「『おつふわりん♪』」


---------


どうも、作者の二兎凛です。

なんとこの度カクヨム、なろう累計で1400万PVを達成しました!素直にしゅごい⋯⋯!(他人事)


それにギフトを投げてくださる読者さんもいてとてもありがたいです!特典を用意する時間が無いですが、近いうちに本編で出番の少ないキャラで閑話を書く予定なので気になる方は更新の際是非に!

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