228:ゆかちゃんお誕生日配信!
部屋に入った僕を出迎えたのは、由良さん、華さん、綾乃さんの三人で、クラッカーを僕に向けていた。
「「「優希くんお誕生日おめでとう!!」」」
三人がそう言うと、僕の隣に立っている薫さんも続けて僕におめでとうと言ってくれた。
「あ、ありがとうございます!」
僕は分かってはいたけれど、こうやってしっかりお祝いしてもらったのは家族以外だと初めてで、少し恥ずかしさを感じた。
だけど、それ以上に嬉しい気持ちでいっぱいだった。
「さて、優希くんを今すぐ祝いたい気持ちでいっぱいですけど、祝いたいのは私達だけじゃ無いですし、配信の方もやっちゃいましょうか」
華さんがそう言うと、パソコンを持って来て僕達の前に置いた。
「流石に今日は映像流すわけにもいかないですから、立ち絵だけ置いてラジオ感覚でやりましょうか」
「それで良いと思います!」
僕がそう言うと、華さんはこれからは本名出さないように気を付けてくださいね、と皆に言って配信を開始した。
♢
「はーい、皆さんこんふわりんー
浮雲ふわりとー」
『白姫ゆかだよ♪』
「こんばんは、柿崎ゆるです」
「こんばんは、YURAだよ!」
「今日はなのもいるの」
:こんばんはー
:めっちゃ豪華メンバーだ!
:こんばんは!
:待ってた
:ふわちゃんだけじゃなくてなのちゃんもいる!
:待ってYURAさんもいるの!?
:マジで豪華メンバーだw
「皆さん理解してると思いますがー」
「今日はゆかちゃんの誕生日なの」
「それで今日は私達がゆかちゃんをお祝いしようって訳だね」
「お料理は私が監修したんだよ!」
:YURAさんはお料理上手だったのか
:初めて知った
:と言うかゆかちゃん今日誕生日だったの!?
:ゆかちゃんおめでとう!
:おめでとうー!
:ゆかちゃん合法化ってマ??!?
:いやそこじゃないでしょ
『えへへ、皆ありがとう!
それに今日の企画をしてくれたお姉ちゃん達もありがとう!』
「いえいえー、もしゆかちゃんがオフコラボOKしてくれなかったらどうしようかと少しヒヤヒヤしましたけど、無事に開催出来て良かったですー」
:お誕生日をリアルで祝いたいのはわかる
:推しの推しの誕生日を祝う推しを見る配信で草
:語呂悪くて草
「ちなみに、お料理は皆で一緒に作ったから、ゆかちゃん一杯食べてね!」
『えっ、そうなの!?』
「ふっふっふ、実はそうなの」
「私も頑張ってお手伝いしましたよー」
「私も出来る限り頑張ったよ」
「⋯⋯というわけでー、早速お料理持って来ますから、最初はもぐもぐタイムから始めましょうかー」
:いいなぁ
:どんな料理なのか見れないの悲しい
:うおおおおおおお飯テロしてくれええええ
:見せてよおおおおおおおお
「勿論、写真撮って画像出すから待っててくださいねー」
「不恰好な料理だから自信ないけど、がっかりしないでね?」
「がっかりされたらそれは野菜とか切った私達のせいでもあるから⋯⋯」
「⋯⋯な、なのはがんばったの」
:なのちゃん...
:うん、なのちゃんは普段出前だもんね...
:ゆるママさんは普段料理するの?
:確かに気になる
「私? 一応YURAと交互に夜ご飯とか作ってるから、それなりかな?
でも正直、味に関してはYURAの方が美味しいと思うけど」
「そうかな? お姉ちゃんの料理も十分美味しいと私は思うんだけど⋯⋯」
「⋯⋯あれ? なのの女子力、もしかして低すぎなの⋯⋯?」
「わ、私は普段からちょこちょこ自炊してますよー? まぁ、ゆかちゃんの動画の影響ではありますがー」
:そういえばふわちゃん言ってたね
:推しの食べてるもの食べたいからレシピ通り作るとか言ってたなそういえば
:これで実質推しとご飯食べてるって名言あったな
:なのちゃんェ
「おっと、いけないいけない、それじゃお料理を持ってきますので少々お待ちをー」
『ボク、凄く楽しみ!』
「ふふっ、期待しててね」
「味には自信アリだよ!」
「なのもおなかぺこぺこなの」
そしてゆらお姉ちゃん達がお料理をテーブルに運んで来てくれた。
そこにはボクが大好きな料理が一杯で、テンションが凄く上がっちゃう。
『わぁ! 美味しそう!』
「いっぱい食べてね!」
「私達も一緒に頂きましょうかー」
「そうするの!」
「そうしよっか」
「⋯⋯写真はなのがあげておくの」
そして料理が全部並び終わり、なのさんが料理をカメラで撮り、写真を配信に載せてくれた。
『「「「「いただきます!」」」』
:美味しそう...
:お腹減った
:くぅ、ゆかちゃんが羨ましいぜ...
:ふわちゃん達が羨ましい...ゆかちゃんとご飯食べたい
:そっちかよw
いただきますと言うと皆で一緒にご飯を食べた。
からあげが大好きと言っていたのを覚えていてくれたのか、沢山作ってくれていて、かなり嬉しい!
それにご飯の方はつまみやすいように考慮してくれたのか、ボクが前動画で作って結構美味しかったと言っていた焼きおにぎりだとか、ボクの動画にちなんだものが多かった。
それに食べ合わせもいいように和食系統を中心に作ってくれていて、とても嬉しい!
『美味しい! YURAお姉ちゃん、ふわりお姉ちゃん、ゆるお姉ちゃんに、なのお姉ちゃんもありがとう! ボク、凄く嬉しいよ!』
「えへへ、そう言ってくれると頑張った甲斐があったよ」
「本当ですねー、いけない、涙が出てきました」
「ゆかちゃんありがとう、改めて誕生日おめでとう」
「ゆかちゃんありがとうなの!
お礼は今度一緒にコラボでいいの!」
「「「ちゃっかりコラボの約束取ろうとしない!」」」
「⋯⋯てへぺろなの」
:なのちゃんは安定のなのちゃんだった
:あー平和な配信だ
:あれ?そう言えば他のやべーやつとか来ないな
:いや流石にこの空間にヤツは来れないだろ
:そうそう、流石にそこまで空気読めなくはないだろ
コメントには少し不穏な空気が流れつつもご飯を食べ終わったボク達。
『「「「「ごちそうさまでした!」」」」』
:美味しそうだった
:おなかへってきた
:そんなことよりおうどんたべたい
「さーて次はー⋯⋯」
「もちろん!」
「ゆかちゃんといえば甘い物なの!」
「お誕生日ケーキだね!」
そう言うと、YURAお姉ちゃんはまたキッチンへと消えていった。
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