229:プレゼントを貰っちゃった!(前編)
YURAお姉ちゃんが戻って来ると、その手にはホールのケーキがあった。
「ケーキなんて作るの久しぶりだったから何回か練習したんだよー」
『えっ、これYURAお姉ちゃんが作ったの!?』
「ふっふっふー、結構上手に出来たでしょ?
でも、お姉ちゃん達も手伝ってくれたんだよ」
『凄い! ボク、スポンジケーキは作った事あるんだけど、失敗しちゃって⋯⋯』
「ゆかちゃんでも失敗とかあるんですねぇー」
「確かに何でもそつなくこなすイメージがあるよね」
「失敗しちゃうゆかちゃんも可愛いと思うの」
:なのちゃんブレないなw
:確かにゆかちゃんって何でも出来そうなイメージ
:というかYURAさん凄いな
:女子力一番高いのでは?
「ん? 私が一番女子力高い?
それはないない! ゆかちゃんが一番女子力高いよ?」
『いや、そこはボクを比較対象にしちゃダメだと思うな!?』
:間違いない
:まちげぇねぇ
:否定できないのがなんともw
:でもスイーツ作れるのはポイント高いと思うよ!
「あはは、ありがとう」
『ボクも女子力高いと思うよ、YURAお姉ちゃん!』
「あれ?」
「もしかして、最大のライバルって」
「YURAさんなの?」
:まさかの四角関係!?
:これは凄い事になってきましたねぇ
殲滅のエミリー:待つデス、ゆかちゃんは渡さないデス!
:なんか湧いてきた
:いつの間に!?
『えぇっ!? エミリーお姉ちゃんも来ちゃったの!?』
殲滅のエミリー:ゆかちゃんを祝わずにはいられるかデス!
:めっちゃ日本語上手くなってて草
:エミリーちゃん頑張ったんだね⋯⋯
殲滅のエミリー:そういえば言い忘れてたデス、ゆかちゃんハッピーバースデーデース!
『エミリーお姉ちゃんありがとう! ボクもエミリーお姉ちゃんのお誕生日来たらお祝いさせてもらうからその時は教えてね?』
「ゆかちゃん、なのの誕生日も教えるのだから一緒にお祝いして欲しいの!」
「「「そ、それなら私も!」」」
『?? お姉ちゃん達の誕生日だったらお祝いするよ??』
「「「「天使かな?」」」」
『⋯⋯そ、そんなことより折角YURAお姉ちゃんが作ってくれたんだから、ケーキ食べよ?』
「それもそうだね」
「そうしましょうかー」
「そうするの」
「それじゃあナイフで切り分けるねー
ゆかちゃんのは少し大きめに切って、っと」
『い、良いの?』
「今日の主役はゆかちゃんですからー」
「気にしなくていいよ!」
「なの達は少しで十分なの」
「そうそう、はい、これがゆかちゃんの分だよ」
『お姉ちゃん、ありがとう!』
「「「「はうっ」」」」
:皆死んだか
:今のは無理もない
:さぁそこを代わってもらおうか
:いやいやいや、俺が
殲滅のエミリー:待つデス、そこはワタシの場所デス
:いや俺!
:私よ!!
:わたしだって!!!!
「ふふっ、これくらいなら、耐えられるようになったんだよ」
「お姉ちゃん、成長したね⋯⋯ごふっ」
「二人とも、やるじゃないですか⋯⋯げぶっ」
「な“の”ぉ“」
:待て一人死んでる
:なのちゃあああああああん!?
:良いやつだったよ
:なのちゃ...
殲滅のエミリー:ナノさん、ナムアミダボーデス
:なんだそれ
:ナムアミダボーで草
『なのお姉ちゃん、起きて?
ケーキ食べよ?』
「わかったの」
:立ち直るのはえーよ
:草
:二コマ漫画かな??
:スピード感で草
『それじゃ、いただきますっ!』
ボクはそう言うと、ケーキを一口ぱくり、と食べた。
『うん、とっても美味しいよ! お姉ちゃん達、本当にありがとう!』
ボクはそう言うと、ケーキを一口、また一口と食べ進めた。
本当にケーキは美味しくて、ペロリと食べ切っちゃった。
「えへへ、それは良かった。
皆で頑張ったかいがあったよ」
「ですねー」
「喜んでもらえて良かった」
「なの」
ボクがお礼を言うと、お姉ちゃん達はとても嬉しそうな顔をしていた。
お姉ちゃん達の嬉しそうな顔を見るとボクまで嬉しくなっちゃう。
:あぁ、てぇてぇ...
:ここが天国か
:ずっとこの時間が続けばいいのに
:口から砂糖ドバドバになっちゃう
:あ^〜
「それでは今日のメインイベント、いきましょうか」
「そうだね」
「そうしよー!」
「それがいいの!」
『メインイベント?』
ボクは首を傾げながらそう聞き返す。
「はい! 今日はゆかちゃんにプレゼントを用意しました!」
「中身は、開けてもいいの」
「何を買ったのか皆にバレるのは恥ずかしいけど、私のは心も込めたよ」
「私は結構無難なもので申し訳無いけど⋯⋯」
『ううん! YURAお姉ちゃん大丈夫!
こうしてもらえるだけでもボクからしたら本当に最高のプレゼントだよ!』
「「「「ええ子や⋯⋯」」」」
:ええ子や⋯⋯
:ええ子やん⋯⋯
:良い子すぎる⋯⋯
殲滅のエミリー:やっぱりゆかちゃんは天使デース⋯⋯
「それじゃあ最初は私からいくね?」
そう言ってYURAお姉ちゃんが僕に少し大きめの段ボールを渡してくれた。
「結構大きいけど、後でちゃんと送って行ってあげるから心配しないでね?」
『う、うん! 何が入ってるんだろう⋯⋯開けても大丈夫?』
「もちろん!」
『えっと、開け口はここ、かな?
よいしょ、っと⋯⋯これって⋯⋯』
「ハンドミキサーだよ! ちょっと良い奴買ったからゆかちゃんの今後の料理動画とかにも使ってくれると嬉しいかな?」
『ありがとう! 実はミキサーは持ってなかったんだ⋯⋯動画で大分前に言ってた気がするけど覚えていてくれたんだね!』
「これでもう持ってたらどうしようかと思ったよ⋯⋯でも、持ってなかったみたいで安心したよ」
『ありがとうYURAお姉ちゃん!』
「えへへ、頑張って選んだかいがあったよ」
「それじゃあ次はなのから渡すの」
そうしてなのお姉ちゃんは小さな紙袋をボクに渡してくれた。
何が入ってるのか、凄くワクワクしちゃうね!
『これも、開けて大丈夫?』
「もちろんなの」
なのお姉ちゃんもそう言ってくれてるから、ボクは紙袋を開けた。
『これは⋯⋯カトラリーセット、って書いてあるね』
「ただのカトラリーセットじゃないの!
なんともの凄く可愛い、ねこちゃんのカトラリーセットなの!」
ねこちゃん!?
ボクは猫が大好きだから中のデザインが気になって仕方ない。
『じゃあ、パッケージ開けさせてもらうね⋯⋯!』
そしてボクはパッケージを開けると可愛い黒猫と白猫のスプーン、フォークの四本が入っていた。
『す、すごくかわいい⋯⋯!』
「ゆかちゃんは可愛いファンシー系も好きだって聞いてたの。
だからこう言うのも好きかなって思ってこれを選んだの」
『ありがとう、なのお姉ちゃん!
大事に使わせてもらうね!』
「そうしてくれるとなのも嬉しいの!」
YURAお姉ちゃん、なのお姉ちゃんもボクの好みに合わせたプレゼントをくれて凄く嬉しいのに、まだゆるお姉ちゃんとふわりお姉ちゃんが残っている。
こんなに幸せなお誕生日、本当に良いのかな?
ボクはそう思いながらも、次はふわりお姉ちゃんからのプレゼントを受け取ることにした。
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