227:作戦会議/お誕生日パーティーの始まり!
「それで、今日も私達が集まったと言う事は?」
「はい、今日も私達で協力するべきかと思いまして」
「ぼくも協力には賛成なの」
今日は綾乃ちゃん、そして薫さんに来てもらいました。
「ところで由良は今日予定があって来れなかったんだけど、問題は無いかな?」
「大丈夫ですよ、後で伝えておいてもらえれば」
「分かった。 帰ったら由良には伝えておくね」
そう薫さんが言うと、私は本題に入る事にした。
「それで本題なんですが⋯⋯」
私が繋ちゃんとの会話においてあり得るだろうと思っている予想を交えて二人に話した。
「⋯⋯それ私達に勝てる要素ある?」
「⋯⋯繋、そんなに凄いヤツだったなんて思わなかったの」
そう、私が考えた可能性。
「個人用フルボディトラッキングの機械を渡す、私は彼女ならやりかねないと思ってます」
今一部で話題になっているフルボディトラッキングの機械、かつては業務用だと数千万は覚悟しないといけない物が今なら百万円クラスで購入出来るかもしれないと話題になっていました。
「勿論、動ける範囲は狭いですが、一般的な家の一部屋くらいなら平然とカバー出来るそうですよ」
「でも今も優希くんはボディトラッキングしてるよね?」
「あれは上半身がメインなんですよね確か」
「そう言われるとそうだったような気がするの」
「なるほど、ちなみにもしそれが実装された場合のメリットは?」
「配信中、ゆかちゃんがめっちゃぬるぬる動きます」
「「それは欲しい」」
ゆかちゃんが配信中にぬるぬる動くだなんてそんなの欲しいに決まってますよね。
「でも何でそんな高額な物をプレゼントに用意するって予想を?」
薫さんは私にそう質問してきた。
「あの繋ちゃんの中の人、あの会社の関係者なんですよ」
「えっ」
「ぼくは知ってたの」
薫さんは驚いている様子。
私も知った時は驚きましたから。
「そこで私は考えたんです」
「一体何を⋯⋯?」
「お金で負けるなら⋯⋯いや正直買おうと思えばそれ以上出せますけど、優希くんが絶対に引くのが目に見えているのであえてしないだけですけども、私達に出来るのは想いを込める事しか無いと思ったんですよ」
「想いを⋯⋯」
「込めるの⋯⋯」
そう、想いを込めた物をプレゼント。
「そこで私はまず提案するのは最初も言っていましたが、優希くんをおもてなしする料理です」
「私は普段自炊してるから料理はある程度出来るけど、二人とも大丈夫?」
薫さんがそう言ってきましたが、私だって一応料理くらいは出来ます。
レシピを調べればそれなりの物は作れますし。
「それなりの腕ではありますが、一応出来ますよ」
「ぼくはお手伝いくらいしかできないの⋯⋯」
「正直料理は由良の方が上手だから、由良にも協力してもらいながら作るのがベストだと思う」
「料理上手な人がいるだけでもありがたいです⋯⋯」
これでひとまず料理に関しての問題は一旦消えましたかね。
「それと最後に、個人的なプレゼントですが⋯⋯何が喜んで貰えると思いますか?」
「それが予測出来たら誰も苦労しないの⋯⋯」
「本当だよ⋯⋯」
「ですよねぇ⋯⋯本当、どうしましょう」
今日も話は上手くまとまらずにそのまま時間だけが過ぎて行った。
♢
とうとうやって来た僕の誕生日。
今日は学校が終わった後すぐに家へ帰り、再び出かける準備をした。
今日はオフコラボと言うことで、華さんから教えて貰った集合場所へと僕は向かっていた。
「ここが、今日のオフコラボの開催場所⋯⋯?」
その場所は見た感じは普通の一軒家で、まさか華さんの家だろうか⋯⋯?
家の入り口らしき場所へ行くと何やら門の部分にロックがかかっているようで中に入る事ができない。
「あれ? どうすればいいんだろう?」
そしてその場で華さんに電話をすると家の中から華さんが出てきた。
「ごめんね優希くん、今開けたから入れるよ!」
「はい!」
そしてロックが解除された事で僕は家の中に入っていった。
「それにしてもなんだか凄い所ですね⋯⋯門自体にロックなんて初めて見ました!」
「ですよね、私もですよ」
「えっ?」
「実はここ、レンタルスペースなんですよ?」
「なるほど!」
「なのでここで撮影をしても何の問題も無い訳ですね」
「あれ? 今日は実写で撮影するんですか!?」
僕は思わずツッコミを入れてしまった。
流石に華さんが顔出しとかは完全にアウトだろうから、凄く焦ったよ。
「いやいや、それは無いよ?」
「で、ですよね⋯⋯」
「という事で、今日の主役の優希くんにはこの部屋で待っててくださいね」
「は、はい!」
そして案内された部屋で少し待っていると、今度は薫さんが部屋に入って来た。
「優希くん、準備が出来たみたいだからあっちの部屋に行こっか」
「はい!」
そして薫さんに着いて行くと、少し広めの部屋に到着した。
そして僕が部屋に入った瞬間に、パンッ! と何かが弾けたような音がした。
「「「優希くん誕生日おめでとう!!」」」
「あ、ありがとうございます!」
僕の記憶に残る誕生日会がとうとう始まった。
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