142:コミケから帰宅、そして配信準備

 コミケ3日目が終わり、ホテルへ無事に戻った僕達は夜ご飯を食べた後に眠り、次の日の朝になった。


 今日は朝から名古屋へ戻る予定で、夜にはカウントダウン配信をする予定なんだ。

 流石に巫女メイド衣装の3Dモデルは無いから、いつもの衣装での配信になると思うけど。


 そしてそんな事を考えている間に帰り支度も整い、あとはチェックアウトをするだけ。

 部屋を出た僕はロビーで薫さん達と合流した。


「薫さん、お待たせしました!」

「あっ、優希くんおはよう」

「優希くんおはよー!」

 薫さんと由良さんが僕を見てにっこりと微笑みながら挨拶を返してくれた。


「とりあえず、車取ってくるから待っててね」

「おねーちゃんよろしくー」

「はい! お願いします!」

 そしてチェックアウトをした薫さんがホテルに預けていた車を取りに外へ出て行った。


 ものの数分で薫さんが戻って来たので僕と由良さんは車に乗り込み、僕達を乗せた車は名古屋へ向けて出発した。


 そして高速道路に乗って名古屋へ向かっていた僕達だったけど、お土産を買う為にこの辺りで一番大きなSAである海老名SAへ寄り、東京のお土産を購入した。


 僕は東京バナーノとシュガーバターの森を買って行ったんだけど、どっちもお菓子として美味しいからつい自分用にも1セット買っちゃったのはここだけの話。


 それからは特に何の問題も無く、途中でPAで一休みしたりしながら名古屋へ向かっていたんだけど、車に乗っていると話も進んで、今はお正月についての話を薫さん達としていたんだ。


「それで、優希くんは初詣はどこに行く予定なの?」

 薫さんが僕にそう聞いてきた。

 僕は地元の岐阜の有名なところにお詣りに行こうかなって考えてたんだけど⋯⋯


「僕は地元で有名な神社に行こうかなって考えてます!」

「岐阜で有名な所ってどこがあったかな?」

「いなばさんとかは私でも知ってるよー」

 由良さんがいなばさんと言ったのは伊奈波神社と言って、岐阜市内にある有名な神社で、毎年沢山の人が訪れる場所なんだけど、毎年人が沢山でまともに歩けないのがネックなんだよね。


 そこで僕は他の場所を考えていたから、それを伝える事にした。


「伊奈波さんは凄く混むのでお昼とかにおちょぼさんに行こうかなって思ってたんですよね。

 あそこも人の数がヤバいですけど、おちょぼさんのご利益は商売繁盛らしいですし、きっといい事ある気がするんです!」

「おちょぼさん、そう言われると結構有名だけど行ったことないかも⋯⋯」

「私も行ったことないなー」

 薫さんはそう言うと何か閃いたような顔をしていた。


「良いこと考えた、優希くんも良かったら一緒に行かないかな?」

「良いね良いね! 私も賛成だよ!」

「えっ、いいんですか?」

 僕がそう言うと二人がいいのいいの、と言うので流れで一緒に行く事になった。


「それだったら美味しいお店知ってるので行きませんか?」

「神社なのに美味しいお店なの⋯⋯?」

「屋台とかじゃなくて?」

 二人がそういうのも無理は無いかもしれないけど、おちょぼさんにはお店が一杯で見るだけでも凄く楽しい場所なんだよね!


「美味しい甘い物とかもあるんですよ!」

 僕は前に行った時に食べた物などを思い出しながらそう言うとつい自分の頬が緩むのを感じていた。 仕方ないよね、甘いものとか大好きなんだもん。


 そしてそんな話をしながら高速を走っていると気が付けばもう名古屋に到着しようとしていた。


 約四時間ちょっとの移動時間も過ぎてみればあっという間で、楽しかった時間ももうすぐ終わり、少し寂しい気持ちになってしまう。


 高速を降りた後、薫さんは僕の住んでいる所まで送って行ってくれて、僕は無事に家に帰る事が出来た。


「それじゃ、優希くんお疲れ様。

 良いお年を!」

「優希くんおつかれさまー!

 良いお年を!」

「薫さんに由良さんもお疲れ様でした!

 それと今回も移動から何までありがとうございました!

 二人とも良いお年を!」

 僕がそう言うと、由良さんが笑いながら手を振り、薫さんは走り出す直前に微笑みながら手を軽く振って帰っていった。


 僕は家に入ると荷物を片付けて、夜にする予定のカウントダウン配信の為に仮眠する事にした。


 あっ、でもさっき口で言ったとは言え、薫さんと由良さんにお礼のメッセージを入れておくのも忘れないよ。


 そして、シャワーを浴びたり、軽くご飯を食べて気が付けばもう15時を過ぎていて、そろそろ寝ないとしっかり寝ちゃいそうで怖かったから寝る事にした。



 そして仮眠して起きてみると、もう22時30分、今年もあと一時間半で終わりと言った状況に。


 配信開始時間は23時30分からなので、それまでは年末恒例のバラエティを見ながら待っていると、あっという間に時間は過ぎていき、セットしたアラームが鳴り始めた。


 アラームを止めた僕は配信の準備を始め、直ぐに準備は完了。

 流石にもう何ヶ月かやっている事だから慣れたものだね。


 そして今年最後の配信を始める事にしたよ。

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