129:クリスマスイブ配信!

 ASMRの収録やコミケの前準備をしていると気付けばもう12月も後半の12月24日になっていた。


 今日僕は配信をする予定なんだけど、配信待機画面の時点で人が沢山いる。


 なんでだろう?



『リス兄、リス姉、お待たせ!白姫ゆかだよ♪』


:まってた

:ゆかちゃんは今日配信するんだね!!!

:嬉しい...嬉しい...

:他の推しさ、何故か今日全員配信お休みなのよ、なんでだろ?

浮雲ふわり:本当ですよねー

:ふわちゃんさん!?

浮雲ふわり:私はちゃんと配信しますよー?

:ふわちゃんは実質俺たちだった...?

柿崎ゆる:それ何気に酷くないかな...?

:ゆるママもいりゅ!!!!!

柿崎ゆる:私は配信者じゃないからクリスマス関係ないですし...

浮雲ふわり:クリスマス絵見ました...最高でした...

:それ!マジで可愛いかった!

:それそれ!!

柿崎ゆる:見てくれたんだ、ありがとう!


『うんうん、ボクも見たけど、凄くよかったよ!』


柿崎ゆる:それはよかった、頑張って描いた甲斐があったよ!

:やっぱりゆるママの絵は最高だなって

:そういえば缶バッジの情報って本当?

:それ!あんなに安くていいんですか!?


『うん、本当はもっと安くしたかったんだけど、流石に安すぎるって怒られちゃった⋯⋯』


:あれより安くしようとしてたのか(困惑

:えぇ...

:流石にそれはまずいですねぇ!?

柿崎ゆる:流石に7種で1000円って言い出した時はびっくりしたよ?

浮雲ふわり:流石にそれは安すぎですよ...

:あれを1000円!?嘘でしょ!?

:待って、ASMRセットで2000円でも俺たちからすれば破格だぞ!?

:最初集めるのしんどいんじゃって思ったけど今度は安さに困惑させられるのか...

:7種1000円って事は....7000円だな!?(おめめぐるぐる

:ガチ困惑してる奴いて草


『いや7種で1000円だからね!?7000円じゃ無いからね!?』


:えっ?違うの!?

:嘘でしょ...?

:嘘...だ...ろ...?

:勘違いしてる奴多すぎで草


『えっと、コミケの話は一旦ここまでにして、お兄ちゃん達は今日が何の日か分かるかな?』


:クリスマスイブです(血涙

:クリスマスイブなんだよなぁ...

:カップルはどこ...?この手が光って唸るんだけど...

:お前実はリア充だろ?

:いや違う...

:ほんとぉ?


『うんうん、クリスマスイブだね!⋯⋯まぁボクにそんな相手は居ないんだけど』


:ガタッ

:ガタッ

:ガタッ

浮雲ふわり:ガタッ

:ガタッ

柿崎ゆる:ガタッ

:ガタッ


ガタガタッ

ガタッ

¥10000


『皆!?』


:いや、その...素でゆかちゃんが男の子だって事忘れてました...はい...

:わたしにもチャンスある...?

:俺はゆかちゃんならいけr...おい待て何をする

:奇遇だな俺もいけ...おや、誰か来たようだ

浮雲ふわり:立候補はどこですればいいですか?

:おい待てふわちゃん

柿崎ゆる:その...私も...

:どっちもガチに聞こえる件について


『ふぇっ!?』


:ふぇっかわいい

:かわいい

:はいかーわーいーいー!

:ふぇっだけでご飯10杯いける

浮雲ふわり:おねぇさんはどうですかぁ....

柿崎ゆる:...どう?

:ひぇっ

:ガチにしか見えません(白目


『その、ボクも嫌じゃないけど⋯⋯』


:キマシ?

:タワー?

浮雲ふわり:ガタッ

柿崎ゆる:ガタッ


『まだ、ボクには早いと思うんだよ⋯⋯ね』


:もじもじしててかわい

:かわいい

:もうどっちとでもいいからてぇてぇみさせて

:あぁ^〜浄化されるぅ^〜

:不埒な事考えてすいません...

:俺、明日から仕事探すよ...

:私、なんか頑張れる気がする...


『なんか皆変な浄化のされ方してない!?

 あっ、お仕事探すお兄ちゃん、頑張って!ボクは応援してるよ!』


:俺、今なら何でも出来る気がする

:えっ?ガチなやつ?

:まぁ頑張れ!

柿崎ゆる:なんか流された気がする...

浮雲ふわり:ですねぇー


『えっと、それで本題に入るんだけど、お兄ちゃん達に今日はボクからプレゼントがあります!というかそれをいう為だけの配信なんだけどね?』


:えっ

:まじ?

:なになに?

:やったわ

:やったぜ

柿崎ゆる:えっ、聞いてない

浮雲ふわり:何ですかプレゼントって...


『えっとね、皆いつもスパチャとか動画一杯見てくれてるお礼に、クリスマス用のASMRを収録したんだ!』


:!?

:マジ!?

:私、泣いてるの?

:嬉しさでマエガミエネェ

柿崎ゆる:えっ

浮雲ふわり:ASMRは死んじゃいます...


『シナリオ考えてる時間はなかったから、いずみさんにお願いしたんだ!』


:いずみ先生...サキュバスゆかちゃん...うっ...頭が...

:サキュバスゆかちゃん並みのが来たら死人が出るぞ!?

:俺、死んだわ、みんなあばよ!

:お前、消えるのか...


『今回はそこまでじゃないよ?

 時間も短めだしね!』


:生きれる?

:生きてていいのか?

:赦された?

柿崎ゆる:ゆかちゃんのASMRは破壊力やばいからね...

浮雲ふわり:今のうちに覚悟決めておきますー

そこまでするのか...


『えっと、とりあえずダウンロード用のURLを貼っておくからお兄ちゃん、お姉ちゃんよかったら聴いてみてね!』


:はーい!

:ダウンロードしてくる!!

:うぉー!楽しみ!!!

柿崎ゆる:ダウンロードしてくるね!

浮雲ふわり:私もダウンロードしてきますー


『うん、皆、楽しんでね!』


『それじゃMerry Xmas!』


------この配信は終了しました------


 ゆかちゃんの配信が終わり、私は作業スペースで作業をしながらASMRをダウンロードしていた。


「これが、今回のゆかちゃんのASMR...」

 私はベッドに入ってイヤホンをしながら聴こうと思っていたら、ファイルの中にメモが入っていた。


「えっと、これを聴くときはテーブルに座って聴くのをお勧めします?」

 どういう事かな、と思って聴いてみると納得した。


 というか由良を呼んでこれば禁断のアレが出来そう⋯⋯早速由良を呼ぶ事にした。


「それでお姉ちゃん、私に用って何?」

「これ、優希くんが今日配信で配布したASMRなんだけど、聴いたらわかると思う⋯⋯」

「ふむふむ⋯⋯ちょっと聴くね?」

「うん」


 それから数分後に由良は私を見ながら頷いた。


「お姉ちゃん、ケーキ買ってこよう」

「うん、私もそう思ったの」


 ASMRの内容は、ゆかちゃんがケーキをあーんをしてくれると言うものだった。


 これ二人いると疑似的とは言え本当にあーんしてもらえる感覚がしてヤバい、くせになりそう⋯⋯


「由良が居て本当によかった⋯⋯」

「私もお姉ちゃんがいてよかった⋯⋯」

 こんな事親とかには絶対頼めないからね⋯⋯一緒に住んでる訳じゃ無いけど。



「ゆかちゃんのASMR♪ ASMR♪」

 私は部屋でイヤホンをしながら、ゆかちゃんのASMRを聴いていた。


「テーブルで聴くといい、か」

 私はそのメモの通りに椅子に座ってASMRを聴いた。


「ケーキ欲しくなりますね⋯⋯買ってこようかな?」

 私は直ぐに家を出てコンビニに向かった。

 ケーキが運良く売ってたのでそれを買って家に戻り、ゆかちゃんにあーんをしてもらう。


 ⋯⋯何でだろう。


「嬉しいのに少し、虚しい⋯⋯」


 やっぱり、本物のゆかちゃんにあーん、して欲しいなぁ⋯⋯オフコラボまたやってくれないですかね⋯⋯」


「お正月、とかどうかな?」

 私はひっそりと、次のオフコラボについて考えていた。

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