126:いざ鬼畜ゲー実況!二日目!

 昨日イワナボーイをプレイして第一のボスを倒した僕は、今日も続きを撮影するためにイワナボーイを起動した。


 操作はコントローラーなので特に違和感無くプレイ出来ているけれど、鬼畜要素と言える部分はまだ姿を現していない。


 まだ林檎が急に落下してきたり、視点が一定時間クルクル回ったりと、対処を間違えなければどうにか出来るレベルだった。


 だからこそ、このゲームの鬼畜さは噂されているほどじゃないと思い込んでしまう原因になってしまった。


 そして、ゲームの起動が完了し、2ステージ目から再びプレイを再開した。



『それじゃあ今日もイワナボーイVRやっていくよー!』

 ボクは挨拶を一瞬で終わらせるとすぐにゲームを始めた。


『今日は前回やった1ステージ目の次のステージからやって行こうと思うよ!本来別の呼び方とかあるかもしれないけどボクは完全初見プレイでやっていくから情報は何も分からないよ!』


 2ステージ目は1ステージ目とあまり雰囲気は変わらず林檎が大量にあるだけった。


 林檎がこちらへ落ちてくる事なんてとっくに予想が付いているから少しずつ林檎との距離を縮めていく。


 ひゅーっと、林檎が落ちていくのを見送り、先へ進む。


 バタン!と音がしたと思うとイワナくんが汚い花火になっていた。


『えっ?』

 今何が起きたのか理解出来ないでいるとよく見ると林檎の木が倒れてイワナくんを潰していた。


『そ、そういうのもあるんだ⋯⋯』

 もう何が安全なのかわからずに疑心暗鬼になりながら進んでいく。


 何度も何度も死んではコンティニューを繰り返し、セーブポイントでセーブが出来て一安心するという行動を繰り返していると、気付けば第2ステージのボスとの戦闘に入った。


 その瞬間。


 何と視点が一人称視点になり、コントローラーを動かしてAIMを合わせるように変更された。


 ボスが攻撃すると目の前にエフェクトなどが現れて、意外と迫力があった。


 ただ、正面向いて戦っているためどれくらいで自分に当たるかの目安が付けにくくなっている。


 それでもボクはとにかくボスを撃ちまくる。

 そして目の前に来た攻撃を避ける。


『あぶなっ!?』

 間一髪で避ける事に成功したボクは銃弾をとにかくボスに打ち込む。

 幸いリロードなんてものはなくただひたすらに打ち込むだけ。


 そしてボスのHPゲージが半分を切った時、よくある敵の強化が入った。

 視点はそのままでボスの攻撃がさらに激しくなった。


『まだ、ギリギリ避けれるかな!?』

 ギリギリ避けれると思った瞬間。


『えっ!?』

 イワナくんは死んだ。


『何で!?今当たってなかったよね!?』

 仕方ないのでコンティニューをして再度挑戦。


 最初はやっぱり順調に進んでいき敵のHPが半分を切ると死んでしまう。


『何で!?どうやって突破すればいいの!?』


 そして6回目の挑戦中、半分を切ったところでふと気付いた。


『あれ?後ろから音がする?』

 振り向いてみると、敵の弾が反射してこちらへ来ていた。


『さっきから死んでた原因これ!?反射とかありなの!?』


 気付いたところで難しいのは間違いなく、後ろを振り向きながら位置の調整をして隙を見て打ち込んでいく。


 何度も何度も死にながら動きを最適化していく。


 もう何度死んだのか覚えていない。


 そして、とうとうその時が来た。


『あと数発......。』

 敵の体力ゲージはミリの状態であと何発か打ち込めばボクの勝ちという状況。


 その瞬間敵は発狂状態に入ったのか、攻撃の激しさが増した。


『ちょっ!?なにこれ!?でも避ける場所はある⋯⋯!』

 数発ボスに向けて撃った弾がボスの体力ゲージを削り切った。


 ボスは一瞬で消え去り、勝ったようだ。


『ふぅ⋯⋯やっとたおし⋯⋯えっ?』

 そう安堵した瞬間、イワナくんはまた汚い花火になっていた。


『????????????』

 ボクは口をあんぐりと開け、現実を受け止めきれずにいた。


『あれ?今、勝ったよね、あれ?敵が消えた、うん、覚えてる。あれ?じゃあ何で死んだの?あれ?』

 今の死因が本当にわからない。


『また、あのボスに挑むの⋯⋯?』

 心はもう折れる寸前だった。


 それから折れそうな心をなんとか繋ぎ止め、ボスに挑み続けていると、またチャンスがやってきた。


『こんどこそ!!!!』

 ゲージをギリギリ削り切るとボスは消え去っていった。


『さっきはここで死んだ、もしかして!』

 後ろを振り返るとやはり、針が飛んできていた。

『ここをジャンプ!』


 そして針をジャンプで躱すと今度こそクリアになった。


 そしてボス部屋を出ると次は川のようなステージに出た。


 セーブポイントもあったのでしっかりとセーブもしたよ。


 そしてここで今日の収録は終了。



「ふぅ⋯⋯疲れた⋯⋯」

 ゲームをやめて、椅子に座りながら夜食用に買ってきたなんめらかプリンを食べる。


「疲れた頭に糖分が染み渡るぅ⋯⋯」


「それにしてもどれくらい収録してたんだろ?」

 動画ファイルを確認してみると驚きの収録時間だった。


「えっ?4時間?」

 時計を見てみるともう夜中の23時だった。


「うわっ明日寝坊したらダメだから早く寝ないと!」


 急いで歯磨きをして、僕は眠りについた。


 ちなみに今回の動画のPart1、Part2は動画にして大体10分ちょっとしか使える場所がなかったのだとか。


 コメントではあんぐり助かるや、困惑してるところ最高とか色々と書き込まれていたらしい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る