90:シュバルツ(お父さん)とコラボ配信!⑥
(遊佐薫視点)
これは、ゆかちゃんとゆりさんが結果発表を行っている時の話。
突然、私の仕事用のスマホに着信が入ってきた。
時間も遅めだったから何の用件かと思いつつも、仕事に関連するものだといけないと思い電話に出た。
「もしもし、柿崎ゆる様の携帯でお間違いは無いでしょうか?」
電話に出てみると少し歳を取っているであろう男性の声が聴こえてきた。
「はい、そうですが⋯⋯」
「今、閃光のシュバルツと白姫ゆかちゃんの配信を見ていましたよね?」
私はぞくり、とした。
まさか、見られている?
「一体、あなたは?」
「これは申し遅れました、私はVライブの社長をさせて頂いている
名前が出てみればその業界に携わっていれば知らない人の方が珍しい大物の名前が飛び出してきた。
「え、えっ!?」
「急に驚かせてしまい申し訳ありません、実は一つ依頼したい事があるのです」
「えっと、なんでしょうか・・・?」
私は想像以上の大物からの急な依頼と言われ頭の中が真っ白になりそうだった。
でも、内容が気になるのも事実、私は話を聞くことにした。
「実はですね、閃光のシュバルツこと、白姫ゆりを正式にデザインして頂きたいのです」
「へっ?」
想像以上の内容だった。
「報酬についてはきちんと適正額をお支払いいたしますし、期限もそこまで急がなくても問題はありません。デザインだけで三ヶ月以内。
もしそれ以上に早く仕上がっても最初に掲示した金額は必ずお支払いいたします。
グッズなどの販売に至った際もこちらとの契約に基づいて報酬をお支払いいたします。
ですので、是非前向きなお返事を頂けると嬉しいのですが⋯⋯」
私の一番最初の目標でもあった私の名前を売る、という事が達成された、そんな気分になった。
勿論、受けないなんて話は無い。
掴もう、このチャンスを。
「はい!よろしくお願いします!」
私は、ついにプロらしい仕事を手に入れた。
これもゆかちゃんに、ううん、優希くんに出会えたからだと、私はそう思った。
♢
「さて、そろそろ終了のお時間が迫ってまいりました」
『楽しい時間って直ぐに去っていっちゃうよね⋯⋯』
:お願いいかないで
:もっと配信やって
:毎秒配信やってください
:毎日毎秒配信まってます
:どうやって私は生きればいいの?
:俺、どうやって生きていこう
「ふふっ、また直ぐに会えますから大丈夫ですよ。お仕事や学校など大変でしょうけど頑張ってくださいね?」
『うぅ、ボクも学校あるから皆の気持ちわかるよ⋯⋯』
:やだやだゆりママともっとおはなしするの!
:ゆりままー!!!!!
:いつの間にかママ扱いされてるの草
「誰がママですか!わたしは男です!」
:その見た目と声でそれを言うか!?
:説得力ZERO
:どう見ても聞いても女なんだよなぁ
:ゆりちゃんかわいいから女の子だよ
:ゆりさん落ち着いた大人の女性って見た目しててすし
『結構似合ってるよねー次の配信もこの姿らしいから皆見てあげてね!ボクも観に行くかも!』
:そういえばゆかちゃんってシュバルツの配信よく観てるって言ってたっけ...
:シュバルツさんからすると地獄だな...
:つよくいきて
「あまり、見ないで欲しいです⋯⋯(♪♪♪」
:なんか鳴ってる?
:着信音?
:これりんごフォンのデフォルト音じゃんw
:特徴的ですぐわかるよねこれ
「おかしいな、着信切ってたはず⋯⋯って社長!?」
『えぇ!?』
:急な社長で草
:どうしたどうした
:何かが始まる予感!
「はい、はい、今から?分かりました⋯⋯
えっと、ゆかちゃん、今から社長が少しだけ告知事項があるらしくてコラボ中で悪いけど社長の声入ると思うんだけど大丈夫?」
『問題ないよ!』
「という訳で大丈夫です、はい」
そして画面が一つ追加され、紳士が現れた。
これが社長が顔見せする時に現れる社長の3Dモデル。
クオリティは拘っていないと言うことではあったが十分使えるレベルのクオリティだ。
「えー、いつもVライブをご視聴いただきありがとうございます。私は社長の佐伯です。
あまり長く時間を取っても仕方ないですし、単刀直入に言いましょう」
:ごくり
:...!
:わくわく
:そわそわ
「この度柿崎ゆる先生のデザインによる白姫ゆりの公式3Dモデルの作成が決定いたしました!
こちらの作製にあたり、白姫ゆかちゃんの許可も正式に頂けました!」
「い、いつの間に!?」
『メール来てたから、返事送っただけだよ!』
:よっしゃああああああああ!!!!
:社長!!!! 一生着いていきます!!!!
:神か!!!!
:うおおおおおおおおおテンション上がるううう!
柿崎ゆる:頑張ってデザインしますね!
浮雲ふわり:いまなんじもカオスですけど、貴方達も十分やばいですよー????
旋風のナイトハルト:息が....できねぇ...っす
紫電の秋夜:もうだめでs
「ああああああああああああああ!!!!」
『お父さん、もう逃げられないね♪』
「許して⋯⋯」
「ダメです」
『ボクにはどうしようもないかなー?』
「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「それではこの辺りで締めにしましょうか、皆様また次回の配信を、そしてこれからもVライブをお楽しみに」
『それじゃ皆、またね!』
------この配信は終了しました------
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