89:シュバルツ(お父さん)とコラボ配信!⑤

『それじゃあボクも早速作っていこうかな!』


:何作るの?

:素材集めからやるのちょっとだるいよねー

:がんばってー

:ゆかちゃんが何を作るのか気になる


『とりあえず、木を切って、クラフティングテーブルを作って、少しだけ鉱石掘りに行ってこようかな?鉄が少しだけ欲しいし!』


『ちなみに作るものだけど、物見櫓だよ』


:渋ッ!!!

:あーわかる、古代とかで使われた奴って妙にかっこよく見えるよね!

:でも確かに短い時間で作るには丁度いいのかな?


『とりあえずパパっと素材だけ集めちゃうね!』

 そう言ってゆかは手に持っている斧で木材をある程度集め、クラフティングテーブルを作成した。


 そのクラフティングテーブルはインベントリの中に収納したままにして次はスコップを使い土を掘っていく。


 石が見えたらピッケルに持ち替えて、石を掘り集めながら鉄や石炭を探し始めた。


『あっ!鉄だ!』

 それから周りを掘っていくと石炭も出てきたようだ。


:いいペースだね、石のストックはそこそこあるから問題無さそう?

:でも櫓だったら木製じゃない?

:それだと木が足りないんじゃ?


『鉄を集めてたのには理由があるから大丈夫だよ!』


:やっぱり鉄の斧?

:斧作るだけにしては鉄の集める量多くない?

:ストックでしょ


 そう言ってゆかはクラフティングテーブルでかまどを作成し、石炭を使い鉄をインゴットにする。


 そしてそのインゴットを使い、鉄の斧とバケツを作成したゆか。


:バケツ?

:何故にバケツ?

:斧は分かるけどバケツ...?

:マグマでも汲んできてシュバルツさんの邪魔でもする気か!?


『あはは、それは無いよ!これは後で水を汲むために必要だから!』


:水?

:水で浮上するエレベーターみたいにするの?

:確かにあのタイプの移動方法は有名だけど櫓に付けるものかな?


 そして物を集め終わったゆかはアイテムを全てインベントリに収め地上に戻った。


 そして直ぐに木を切り始めた。

 鉄の斧で切っているおかげか結構な速さで木材になっていく大量の木達。


 数スタックしたところでまだ時間は三十分も経っていなかった。


:うん、効率重視の素材集めだ...

:シュバルツさんどうなってるんだろ...あっ(察し

:草

:死んどるやないかい!


『あはは⋯⋯お父さんゲーム下手だから⋯⋯』


:そうなの?

:確かにそう言われるとシュバルツさんってあんまりゲーム配信やってないよね

:どちらかと言うと雑談が多いよね

:確かにそうかも


『でも家族で一緒にやるときはそこまで下手では無かったんだけど、なんでなのかな?』


:もしかして、演じながらやってるから...とか?

:ありそう

:その可能性はありそう


『うん、確かにそれはありそうだね!

 でも、ボクはあんまりそういう風になったことがないけど、何か違うのかな?』


:なりきってるか演じてるかの違い?

柿崎ゆる:ゆかちゃんの場合は演じるというよりもなりきってるから頭のリソースの使い方が違うのかも?

浮雲ふわり:わたしは昔罰ゲームでモノマネしながらゲーム配信やったことありますけど、全く手に付かないですよー

:なるほど、モノマネに気を取られすぎちゃうのね


『あー、なるほど、理解したよ⋯⋯』


 と、そんな話をしながらもゆかはしっかりと作業を進めていた。


 基礎となる部分に石を設置して、それを正方形に縦横6マスになるように設置。


 そしてその上に乗り木のブロックを20マスの高さになるまで置いていく。

 ブロックの上に乗ったままで。


 そしてゆかはその高さからジャンプした。


:ちょっ

:オイオイオイ

:死ぬってw

:あれ、まさか

:バケツってそういう


 そう、視聴者が気付いた瞬間ゆかは水の入れてあるバケツを取り出し、着地の瞬間に中身を地面に設置。

 すると水に着地した判定になりダメージを受けないのだ。


:久々に見たなこれ

:基本MODとか、フライングマントとかでダメージ受けないようにしてる人多いからね

:バニラくらいでしか役立たない技術だけど結構スタイリッシュだよねこれ


『ちょっと不安だったけど成功してよかった。

 このままあの高さになるまで置いて行くよー』


 そしてブロックを積み上げ長方形の建物が出来上がった。


 中には階段を設置し、簡単に上に登れるようになっている。


 更に3階建てとなっており、着けられたガラスから外の様子を見る事が出来るようになっている。


 そして上ではフェンスで落ちないように手が加えられ、屋根も付けられた。


 流石に装置を色々搭載することは出来なかったようではあるが、実用性はそこそこありそうな物に仕上がっていた。


『うーん、やっぱりボク、センスは無いなぁ⋯⋯』


:と、豆腐よりは...いいと思う

:なんというかコンセプトはあるからね

:まぁまぁ、そんなに悪くはないと思うよ

:わいは好きやで

:これ物見櫓では無いと思う、どちらかと言えば小さな砦...?

:それだ!!!

:なんかちゃうと思うたんよ!!!


『あっ、砦かぁ!時間は⋯⋯まだ五分あるし外装を石に変えちゃう?』


:流石に時間足りないと思うよ

:ちょっと足りないかなー

:微妙に足りないね

:ストックも少なくなかった?


『あっ、そういえばそうだった!教えてくれてありがとう、お兄ちゃん!』


:へへへへへ、お礼言われちゃった

:絶対画面の前でにちゃぁ...って笑ってたろ

:おっ?俺のことか?

:わたしのこと?


『うん、それじゃあこれ以上手を加えられないし、これで完成って事で!』


:お疲れ様ー

柿崎ゆる:お疲れさま、ゆかちゃん

浮雲ふわり:お疲れ様ですー

旋風のナイトハルト:お疲れ様っす

:お疲れ様なの

:なんか勢揃いしてない?

:シュバルツ孤独すぎない?

:旋風のナイトハルト:あっちには秋夜くんがいるっすからね

:1人ではなかったか...

:シュバ×秋夜...

:なんか妄想してる奴湧いたぞ


『あ、あはは⋯⋯とりあえず集合場所に戻ってから投票って事で!』


:はいな

:はいよー

:りょ

:らじゃ


 そしてゆかもゆりのいる集合場所へと向かっていった。



「と、言うわけで結果発表でございます!」

『う、うん』


:テンション高いなw

:もうヤケクソじゃんw

:草不可避


「結果の方ですが、わたしの作ったトーフハウスが30%、ゆかちゃんの作ったYAGURAっぽい何かが70%で、ゆかちゃんの勝ちです!!知ってましたもん!!!!」


:まぁ、流石に豆腐では勝てないわな...

:というか30%もあったのに草

:意外と豆腐好きな人多いんだなって

:俺結構豆腐好きよ

:私も豆腐は好きね


「そう言ってもらえると嬉しいですけど負けは負けです、今から五分以内に罰ゲームの内容を投稿してくださいね!500人までの先着になるのでそこだけはご了承ください!」

『何が出るかな、何が出るかな?』


 そして、五分後


「そ、それでは、運命の抽選です!」


\来月末までの配信を全てゆりでやる/


『ブフッ!』

「いやあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」


:草

:鬼かよ

:誰だこれ入れたの

:ひっでぇwwwww

Vライブマネージャー:あっそれ入れたの私です

:マネージャーは鬼だった

:このひとでなし!!!

:だがあえて言おう、よくやったと

:正直嬉しい

:来週の配信もゆりで見れるのか、最高だなオイ

:というかゆかちゃんリアルに吹き出してる

:身体震えてるよゆかちゃんwww


『ご、ごめんなさ⋯⋯面白すぎて⋯⋯あははは!!!! 声! 我慢できない!!』

 手を叩きながらゆかは笑う。


:ツボに入ってらっしゃる

:まぁ俺も今腹抱えて笑ってたから気持ちはわかる

:というかゆりちゃん死んだような目してない?

:なんかテンション上がるな


「引き、弱すぎ、ません、か?」


:声掠れすぎwwwww

:今にも死にそうwww

:おなかいたいwww

旋風のナイトハルト:リーダー悪いっすwお腹痛いっすw

紫電の秋夜:流石にこれは酷いです、笑うしかないじゃないですかwww

:皆笑ってて草


「いいですよ、やってやりますよ⋯⋯」

 強い言葉を使うゆりではあったが、その目はどこか遠くを映しているようだった。


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年内最後の更新になります!

もう少しではありますが、皆様良いお年を!

感想への返信は年明けにまとめてさせて頂きますが、読んではいますのでいつもありがとうございます!!!

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