63:ふわちゃんとオフコラボ!⑤

「と、とりあえず配信再開しましょう!?」

 僕はふわちゃんに慌てながらそう言った。


「そ、そうだね!」

 ふわちゃんはそう言うと気を取り直すために深呼吸をした。

 僕ももう一度深呼吸をして、白姫ゆかを演じる。


『リス兄、リス姉、ごめんなさい!とりあえずもう大丈夫だと思うな!』

「本当に申し訳無いですー⋯⋯」

 ボク達はまず最初に配信が大変な事になった事を謝罪した。



:やっと戻ってきた!

:ううん、今来たとこ

:恋人面してるやつ居て草

柿崎ゆる:とりあえず安心したよ...

:これ毎度こんな感じになるの?

:いや流石に毎回では無いっすよ、ゲーム配信の時は割と普通っす



『いやー、お父さんに注意されてたのに体が勝手にこうなっちゃうんだから、怖いよね⋯⋯』

「私も調子に乗りすぎましたー⋯⋯最高でしたけど⋯⋯」


:ブレないなwww

:そりゃ最高だろうよ!!!

:見てるこっちもなんかやばかった

:わかる

:それな

柿崎ゆる:トランスしてる時のゆかちゃんはだめだよ、人によったら即座に襲われるよ!!


『そ、そんなにかな?』

「ゆかちゃんは自分の可愛さを自覚するべきです⋯⋯」

『自分がどれくらいかって言われてボクはこれくらい可愛いです!なんてなかなか言えないとボクは思うんだけど⋯⋯』


:自覚無い系主人公か?

:自分に対して鈍感なのでは?

:もっとカワイイアピールしていいのよ

:ゆかちゃんは可愛い!!!

:ふわちゃんも可愛いよ

:二つ合わされば⋯⋯

:絶対無敵だな

:おっ待ていゆるゆかを忘れてるぞ!

:くっゆるゆかも捨てがたい⋯⋯

柿崎ゆる:なんか悔しいから私もVtuber始めようかな...

:ゆるママがVtuber...?

:ちょっと見てみたい...


「まぁそんな話は一度置いておいて私からゆかちゃんに提案したい事があるんですー」

『提案?何かな何かな?』


「せっかくのカラオケですから、採点を入れて採点勝負をしませんかー?」

『いいねいいね!やろうやろう!』


:カラオケ配信っぽい事やる...だと...?

:どうしてしまったんだ?

:でも時間的にもう終わりじゃない?

:あ、本当だ

柿崎ゆる:もしかして1発勝負?


「そうなんです、時間もあまりありませんし、得意な曲を一つだけ歌ってその点数で勝負ですー!」

『曲は何でもいいの?』

「そうですね、今回は趣向を変えて今から一年以内に発表された曲で行きましょうかー?」

『分かったよ!負けないからね!』

「そうですね、勝ったら何を商品にしましょうか」

『無理しない程度にお願いをする、とかなら軽めでいいんじゃないかな?』

「確かにそれくらいなら良さそうですねー」

『気軽にやれるね!』


:ま、まともだと?

:どうしてしまったんだ!?

:さっきまでが酷すぎただけだってw

:でも条件があるから選曲がさっきまでと思いきり変わるよな

:確かに結構変わるな


「それでは私から行きましょうかー」

『ふわりお姉ちゃん頑張れー!』


:応援してて草

:応援すんのかよwww

:可愛いからヨシ!


「では私はこれを入れますねー」

『あれ?この曲って⋯⋯』


:これってふわちゃんの曲じゃねぇかwww

:自分の歌を本人が歌うのはずるいよwwww

:ワロタwww

柿崎ゆる:本気すぎない!?


「〜♪」

 ふわりお姉ちゃんは慣れた手付きでデンモクを操作すると、自分のソロ曲を歌い始めた。


 ふわりお姉ちゃんは目を瞑りながら一つ一つ丁寧に歌詞をなぞっていく。

 ふわりお姉ちゃんの歌声が歌詞を綺麗になぞり、音も殆ど外す事はなかった。

 その光景は真剣としか言えなかった。


:誰だこいつ

:綺麗なメロディラインなんだよな

:さっきまで暴走してたのは一体誰だったんだ

:浄化されるううううううう

:というか点数えぐくね?


「ふぅ⋯⋯」

 目を開けたふわりお姉ちゃんがモニターを見るとそこには九十七点の表示が。


『えっ?これ無理じゃない?』


:やっと気付いたか

:勝ち目なんて最初から無かったのさ!

:ふわちゃん大人気ねぇwww

柿崎ゆる:これはひどい

:容赦なさすぎるの流石なの

:これは酷いっす


『うぅ、それじゃあボクはこれで行こうかな⋯⋯』

 ボクは最近放送されたアニメのオープニングテーマを入れた。


「魔法少女こいつ☆マジカのOPですねー?」


『うん!OPのDisconnectだね!』


『交わした契約?知らねーよ』

『目を開き突き進む』

『押し寄せるもの全て斬り裂いて独り進むんだ』


 アップテンポの曲調のこの曲はボクが何度も聴いた曲の一つ。

 出来る限りメロディラインに気を付けて歌っていく。

 今回は可愛さよりもカッコいい雰囲気の曲なので曲のイメージを崩さないように出来る限りカッコよく歌っていく。


『だからもう何も信じない』

 曲調と打って変わって暗い歌詞だけど思ったよりも上手く歌えた気がする。


「さぁ、点数の方はー?」

画面には九十五点と映っていた。


『くぅ⋯⋯自己ベストなんだけど⋯⋯』

「流石に自分の曲は強かったですねー」

『ちょっとずるいよふわりお姉ちゃん!』

「勝てばよかろうなのですよー?」


::うん、ゆかちゃんは頑張った・・・

でもゆかちゃんって可愛いイメージだったけどカッコいい曲も意外といけるね

柿崎ゆる:かっこ可愛かったよー


『えへへ、ありがとう!』

「それじゃあ私からゆかちゃんへのお願いですけどー」

『うっ、忘れてた』

「またそのうちコラボさせて欲しい事ですかね?」


:おい、大丈夫か?本当にふわちゃんか?

:まともがすぎる

:大丈夫?



「私を何だと思っているんですかー!?」


:Vのやべーやつ

:Vtuber界のヤバみを凝縮したような存在

:ショタ、ロリコン


「くっ、ひ、否定出来ません⋯⋯」

『あはは⋯⋯』


「それにしても今日は色々あって濃い一日でしたねー」

『濃すぎて色々訳わからなかった気がするかな⋯⋯?」』


「き、気にしたら負けです」

『というかボクも結構やらかしてるから⋯⋯』


「⋯⋯」

『⋯⋯』


「時間も時間ですし!そろそろお終いにしましょうか!!!!」

『そ、そうだね!!!』


:投げたぞこの人達www

:いきなり終わるなwww

:でも時間予定時間ピッタリなのマジで笑うwww

柿崎ゆる:お、お疲れ様?


「そ、それじゃあ皆さん」

『それじゃあ皆!』

「おつふわりんー!」

『お疲れ様ー!』


:お疲れ様ー!

:ある意味伝説回だったな

:途中の切り抜き待ってるわ職人頼んだ

柿崎ゆる:お疲れ様ー

:お疲れ様なの

:お疲れっす!


------この配信は終了しました------

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