62:ふわちゃんとオフコラボ!④
「んっ⋯⋯?私、ゆかちゃんが抱っこしてって⋯⋯あれ?」
『あっ、おねえちゃん気がついた?』
「あれ?私、えっ?」
『おねえちゃんつかれてたんだねー、よしよし』
「ここが、天国かぁ⋯⋯」
『現実だよ?』
:二人とも気付いてない!!!
:あぁ...てぇてぇ...
:この光景ずっとみていられる
柿崎ゆる:ぐぬぬぬぬぬ....
:羨ましいの...
:でもなんか微笑ましいっす
「現実?いやいや、ゆかちゃんがこんな事してくれる訳ないよー」
『なんで?他にもして欲しい事あるの?』
「えっと、ゆかちゃんからぎゅっとしてくれたりとか、耳元で大好きって言ってくれたりとか?」
『そんなことでいいの?』
「えっ?」
ボクはぎゅっとお姉ちゃんを抱きしめてあげる。その後に希望通りのセリフを耳元で言ってあげる。
『おねえちゃん、大好きだよ』
「うへへぇ⋯⋯しあわせぇ⋯⋯」
:目!!!目が!!!!
:目がイっちゃってるwww
:ひっでぇwww
:よだれ垂れてそうwww
:羨ましいわね...
:わたしも...してほしい...
『他にも何かやって欲しいことあるかな?』
「じゃあ逆に私がやってあげるのはだめ?」
『大丈夫だけど⋯⋯』
「じゃあ膝枕させて欲しいな!」
『う、うん、いいよ?』
「じゃあこっちおいで!」
『うん』
ボクはふわりお姉ちゃんの膝の上に寝転んだ。
「はぁぁ⋯⋯可愛いですぅ⋯⋯」
『おねえちゃん、くすぐったいよ』
おねえちゃんはボクの頭を撫でるんだけど、ほっぺにお姉ちゃんの髪の毛が当たって少しくすぐったい。
「ごめんね、こんな感じなら大丈夫?」
おねえちゃんは髪の毛を少し後ろにやりボクの顔に当たらないようにしてくれた。
『うん!大丈夫!』
:なんだこれ!
:んんんんんんんんんん
:もうこれ姉妹なのでは?
柿崎ゆる:私の方がゆかちゃんのお姉ちゃんにふさわしいんだから!!
:そこ張り合うとこ!?
『えへへ、おねえちゃんのなでなできもちいいな』
「そう?よかった」
それからその映像が十分ほど続くと、ふわりの様子が変わった。
「夢なら、いいよね」
『どうしたの?おねえちゃん?』
「抱っこしてもいい?」
『いいよ?』
「わーい!」
そう言いながらおねえちゃんはボクを抱きしめる。
ボクは正面からぎゅっとされ、ずっと頭を撫でられる。
おねえちゃんの体温が暖かくて、気持ちいい。
なんだかちょっと眠くなってきちゃった⋯⋯
『すぅ、すぅ』
「あれ?ゆかちゃん眠っちゃった?」
「ふふふ、可愛いなゆかちゃん」
:あかん!ゆかちゃんが襲われちゃう!
:ゆかちゃん起きてえええええ!!!!
:そこでぶちゅっといくの!
:アンタは止めてやってくれっす!?
柿崎ゆる:どこのカラオケなの!?今すぐ行くよ!?
:場所分かるようには流石になってねーっすよ!
♢
「つん、つん」
私は眠ってしまったゆかちゃんのほっぺをつんつんした。
ぷにぷにとしていてとても柔らかい。
「ふふっ、夢なら醒めないでほしいなぁ⋯⋯」
すると私はパソコンに表示されているコメントが目に入った。
「あれ?本当に現実?」
それじゃ、ゆかちゃんのこれは⋯⋯?
「あっ、トランス状態!?」
:あぁ!よかったふわちゃん気がついた!
:トランス状態に入ってたのも気が付いたみたいだな!
柿崎ゆる:危うくリアル凸するところだったよ
:ゆるママ怖いw
:私も行けたら凸したかったわね
:わたしもゆかちゃんつんつんしたい
「ご、ごめんなさい!あまりにもあのゆかちゃんが可愛くて⋯⋯」
:いやあれはしゃーない
:誰でもそうなるわあんなの
:わたしも言ってほしい...
:私も言って欲しいわ...
「と、とりあえずゆる先生、ゆかちゃんこうなったらどうすればいいんですか!?」
柿崎ゆる:前は起きたら治ったから、そのまま悔しいけどなでなでしてあげたらいいと思うかな?
:悔しいけどで草
:ゆるママェ...
:でもそれ以外方法無さそうだものね
:わたしもそう思う
:このまま何分この映像見せられるんだw
:もはやカラオケ配信ではない件についてw
:それを言うなw
「そ、それじゃあこのままゆかちゃんを⋯⋯撫で撫でしちゃいます⋯⋯はぁ⋯⋯最高⋯⋯」
:感情全部表に出てて草
:顔も口も全部感情出てるなw
柿崎ゆる:トランスゆかちゃんの尊みによく耐えられたと思うよ、私も正直やばかったから
「お褒めに預かり光栄です⋯⋯」
:褒めてる...のか?
:褒め...?
:いや、うん襲わなかったのは凄いと思うけどね
:いやゆかちゃん男だから普通逆なんだが?
:普通女の子であるふわちゃんを心配するはずなんだがなwww
:まぁふわちゃんだし
:ふわちゃんだしな
:いやそれで全部片付けようとするの草なんだが
「ま、まぁ、私ですしー?」
:お前が言うなwww
:リアルに手を出さないか皆心配してたんだぞwww
:まぁ杞憂に終わってよかったけどさwww
「私だって社会人なのでダメなことくらいわかりますよ!?」
:うん、そーだねー
:ふわちゃんは社会人だからねー
:ふわちゃんって社会人なの...?
「皆酷くないですか!?」
:まぁ、ふわちゃんだし
:ふわちゃんだしな
:ふわちゃんなら仕方ない
:ふわちゃんはそういうもんだ
「うぅ⋯⋯いいもん、今ゆかちゃんに癒してもらうもん⋯⋯」
:しれっと言ったけど当の本人であるゆかちゃんは意識ない件について
:されるがままのゆかちゃん...ごくり
柿崎ゆる:ゆかちゃんが身体預けてくれるのってなんか凄い幸福なんだよね
:ゆるママまるで経験したことあるかのように...
柿崎ゆる:あるよ?オフコラボのトランスゆかちゃんもそうだし、東京行く時の移動もそうだったし
「東京は何日も一緒に居たんですよね?羨ましかったです、でも今はこうやってゆかちゃん可愛がれているからなにも言いませんけど⋯⋯」
私はゆかちゃんの寝顔を見ながら微笑んだ。
:明らかにゆかちゃん絡んでるときのふわちゃん幸せそうなのは否定できんなぁ
柿崎ゆる:私もそうなるから否定できないね
:わたしも
:私もそう思うわ
「んっ⋯⋯」
もぞもぞとゆかちゃんが私の胸の中で動き始めた。
「ひゃっ!?」
「ん⋯⋯? あれ?僕なんで、あれ?ふわちゃん⋯⋯あっ」
「起きたんだね!ゆかちゃん!」
「⋯⋯ご、ごめんなさい!!!
僕あの、そんなつもりなくて、というかなんで僕ふわちゃんのその、そんなところで眠って⋯⋯?」
「気、気にしないで!むしろ私からお願いしたの!」
「なんでですか!?」
:ゆかちゃんトランスが完全に解けてるのはいいけど記憶ない?
柿崎ゆる:前もそうだったからね⋯⋯
:起きたのはいいけど配信この後どうするんだw
「と、とりあえず配信再開しましょう!?」
「そ、そうですね!」
:もうグダグダwww
:落ち着けwww
:こっちは楽しいしてぇてぇからいいんだけどさw
そして私達は配信を再開した。
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