大物VTuber襲来!?

8:ゲームを買おう!

 さっきはゆる先生が大変なことになってしまい通話が急に終了してしまった。


 ちょっとやりすぎたかなって反省はしているけど男の僕を可愛いって言ったから仕方ない、うん、仕方ない。


 とりあえず配信用に新しくゲームを買おうと思うから明日はゲームショップでも行こうかなーと考えていると裕翔から電話がかかってきた。


「おいっすー優希、配信お疲れー」

「ありがとう!それでどうかしたの?」

 裕翔はしっかり配信を見てくれていたようだった。 ちょっと恥ずかしいな。


「あー、明日さ優希お昼までだろバイト」

「うーん、そうだねシフト十三時までだね」

 僕はシフト表を確認しながら答えた。


「明日一日練習の予定だったのが急に午前に終わる事になってさお互い暇だったらどこか遊びに行かないかなーと思ってさ」

 どうやら裕翔は部活の予定が短くなって暇らしい、僕もちょうどゲーム見に行きたかったから裕翔に聞いてみるのも良さそうだね。


「なるほど、僕さ配信用に何かゲーム一本買おうかなって思ってたんだよね。 明日のお昼までに来てたリクエストのジャンルから何か選ぼうかなって考えてたんだけど一緒に行く?」

「おっゲーム見に行くのか、たまにはいいな俺も行くぜ」


「ゲーム見に行くなら駅前集合の方がいいよな?」

「そうだねーゲームショップ駅前にあるから駅前集合にしよっか」

「優希の時間の都合もあるだろうし十四時くらい集合でいいか?」

「それで大丈夫」

「おっけー、んじゃまた明日な!」

「ん、また明日!」


 そして次の日


「ふぅ、バイト疲れたなぁ」

 僕はバイトを終え一度家に戻った。

 制服を洗濯機に入れて回し、シャワーを浴びてから再び出かける事に。


「よし、準備出来たし駅にいこっと」

 僕はラフな格好で駅に出かけた。


 ん?どんな格好かって?

 カーキのキャスケットを被って白の少し大きめのTシャツ、ネイビーのジーンズを履いてるよ?靴は普通の白のスニーカーで、鞄は黒色のショルダーバッグを使っているよ!


 そして駅前に着いたら裕翔を見つけたので声をかけるためにゆっくり走りだした。


「おーい裕翔、ってうわっ」

 忘れてた、この駅小さな段差があったんだった。 そう思った時にはもう遅く、体が前に倒れかけていた。 スローモーションで時が動き始める。


すると

「大丈夫ですかー?」

 その声は女の人だった。

 ゆったりとした語尾が伸びている特徴的な喋り方。そして僕よりも身長の高い人で僕の腕を掴むと、バランスを崩した僕の身体を支えてくれた。


「あっ、大丈夫です!ありがとうございました!一瞬転ぶかと思ってひやっとしました⋯⋯」

 お礼を言うも、ちょっと今の状況は恥ずかしくて、少し顔に熱が出てきた気がする。


「痛いのは嫌ですからねー、無事でよかったですー」

 女性は僕を離すと微笑み立ち去っていった。


「綺麗な人だったなぁ⋯⋯」

「でも、なんか聴き覚えあるような声だったような気が⋯⋯気のせいかな?」


「おーい優希何やってんだ?大丈夫だったか?」

 僕が転びそうになってるのを見ていた裕翔が僕に問いかけてくる。


「うん大丈夫、さっき一緒にいた女の人が助けてくれたから怪我も無いよ!」

「それならよかった、じゃ行くか?」

「だね、行こっか!」



 ゲームショップへと辿り着いた僕はまずアンケートを見て希望の多かったジャンルのホラゲを見る事に決めた。


「ホラゲか、優希ってホラゲ大丈夫だったっけ?」

「大丈夫だよ?ダイオシリーズは全作プレイしてるし!」

 そう、放送ではまるで苦手かのように振る舞っていたがある程度のホラゲは大好きだったりする。 グロいのは単純に好きじゃないけどね。


「あーそういえばダイオシリーズ大好きだったな優希って」

「そうだよー、あ、でも最新作のVRはまだやってなかったっけ」


「じゃあそれで決まりじゃん。」

「えっ?」

「僕普通にプレイ出来ちゃうし反応もつまらなくならないかな、大丈夫かな?」

「いや絶対大丈夫、自信を持って言えるぜ俺は」

「そこまで言うなら買ってみようかな?」

「買え買え、絶対いい動画撮れるから」

「あと初見プレイで撮影しろよ!約束だぞ!」

 そして夜、裕翔に唆されてゲームを始めた僕は絶叫する羽目になった。 でもそれはまた次回のお話。


♢(???視点)


 私が駅からバスで帰ろうとバス停に向かっている途中、小さな男の子のような見た目をした子が小走りで走って段差に躓いて転びそうになっていた。

 すぐ横にいた私は思わず腕を取りその子を支えると声をかけた。

「大丈夫ですかー?」


 そこに居たのはまるで女の子のような整った顔立ちをした男の子?だった。


「あっ、大丈夫です!ありがとうございました!一瞬転ぶかと思ってひやっとしました⋯⋯」

 いや、女の子なのかもしれない。

 だって声が可愛いから。


「痛いのは嫌ですからねー、無事でよかったですー」

 私はそう言ってその場をすぐに立ち去った。


 何故すぐに立ち去ったか、私は顔のにやけを抑える事ができなかったからだ。

 小さな身体、可愛いらしい顔、可愛い声、全てが揃っていた。

 私はロリ、ショタが大好きな淑女である。

 周りの誰にも知られていないけれど。


 私は今日の出来事は役得だったなーと思いながら帰宅した。


 でもその男の子とまた予期せぬ出会い方をするとは私はまだ知る由もなかった。

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