7:初配信!② ★

『ええええええええええ!?』

 ボクは思わず大きな声をあげて驚いてしまった。 危うく素の声が出そうになって危なかった⋯⋯


:悲鳴助かる

:悲鳴まで可愛い

:コミケ行かなきゃ(使命感)

柿崎ゆる:無理強いはしないから後でゆっくり考えてくれたら大丈夫だよ

:ゆるママやさしい

:さっきまで酷かった人とは思えなくて草


『でも凄く有難い話だから超前向きに考えておくね!』


:リアルに来てくれるなら絶対に行く

:休み取れるかな...

:休み取れないって言われたら会社退職も辞さない所存

:一人人生かけてて草


『もし行くことになってもお兄ちゃんやお姉ちゃん達は無茶しちゃだめだよ?』


:やさしい

:優しい

:むちゃだめわかった

:でも行きたいから多少は無茶する

:私は参戦予定だからいけそう


『えっと急な出来事でびっくりしちゃったけど最後に言っていたアンケートのお知らせだよ!』


:気になってた

:なんだろ

:ワクワクするぜ


『これはズバリ!ボクに実況して欲しいゲームややってみて欲しい事、料理動画だったら作って欲しいものの募集だよ!』


:まじか

:あれだよねYotubeの権利の範囲内ならなんでも良いって事だよね

:まじかよ神か?

:WeeFitRPG...(ぼそっ

:悪魔がおるぞ


『もちろんYotubeの権利内でお願いするよ!ある程度応えていこうと思ってるから気軽にボクのピヨッターに設置してあるリクエストBOXにどしどしリクエスト出してね!』


:やったぜ

:何送ろうかな

:ホラゲとかやってもらいたい

:あえての恋愛ADVとかどうよ

:恋愛ADVは視聴者側がダレると思うからなぁ

:あー確かに


『ちなみにボクはホラゲ大丈夫だからね!怖くないもんね!!!』


:ほう

:これはフラグ

:見せてもらおうじゃないか

:驚いているところを想像したら萌えた


『ぐぬぬぬ⋯⋯』


『ま、まぁ!?驚いたりなんてしないからね!本当だからね!どんなゲームだってバッチこいだし!』


:にやにや

:ふへへ、最恐ゲームプレイさせてやるぜ・・・

:いじめたら可哀想だろ!いい加減n、でも見たいな

:どっちだよ


『それじゃ時間ももう少ししかないから最後に一つ!何かボクがこの場でリクエストに応えるよ!言って欲しい台詞や歌ってみてほしい曲一曲だけやってあげるよ!』


:ま?

:まじ?

:やったぜ

:何言ってもらおう

柿崎ゆる:な、なんでもいいの?

:ゆるママwww

:釣られてきてるwww


『条件は十コメント後だよ!さぁスタート!』


:お兄ちゃん大好きって言って

:お姉ちゃん大好きって言って

:千◯桜歌って

:メ◯ト歌って

:恋☆◯ナ歌って

:ザコお兄ちゃんって言って

:コスプレして

柿崎ゆる:ゆるお姉ちゃん大好きって言って

:ゆるママとオフコラボ

:ゆるママに新衣装おねだりして

柿崎ゆる:えっ

:初配信で新衣装要求は流石に草

:新衣装wwwww

:というか皆の選曲死ぬほど古いwww


『えぇ⋯⋯』


:まぁそういう反応になるわなwww

:そりゃそうよ

:スナイパーってこんなとこにもおんのな

:草不可避


『んっ、じゃあ一応言うよ?』


『ゆるお姉ちゃん、お姉ちゃんが似合うと思う服、ボク着てみたいな?』


柿崎ゆる:あ、あう...

:耐えろ

:まだいける

:がんばれおれ

:わたしおさいふにてがでそうになった


『だめ⋯⋯かな?』


柿崎ゆる:

:落ちたな

:落ちた

:スパチャどこで出来る?

:スパチャさせて

:しょんぼり声はずるいって

:反則すぎる


『えへへ、なんてね?次お洋服頼む時は収益化されてお金が貯まってからゆるママにお願いする形になると思うな!』


柿崎ゆる:待ってて、一日で仕上げる

:え?

:まじで言ってんの?

:一日は流石にやばいって

:3Dモデルどうすんのよ

:モデリングも無料じゃないんだよなぁ


『えぇ!?ゆるママ無理強いみたいな事はしたくないから大丈夫だよ!?』


柿崎ゆる:大丈夫、モデリングは任せて。

:違う、そうじゃないwwww

:ゆるママ暴走www


『う、もう終わり!終了!』


:え?

:まじで?

:いかないで

:もっと声聴いていたい

:次配信いつ?

柿崎ゆる:さっきのコミケの事忘れないでね?

:ゆwwwるwwwまwwwまwww

:ゆるママ食い気味で笑う


『今日は皆来てくれてありがと♪

まぁちょっと予想外な事も⋯⋯あったけど

次の配信は三日後の予定だよ!十九時くらいから一時間か二時間くらいやるからよろしくね!』


:三日後なら耐えれる

:いけるな

:ああああああああああ!!!!俺夜勤!!!

:私もいける

柿崎ゆる:絶対見る

:ゆるママもう洗脳されてしまったようだな

:俺らもだろ?


『それじゃ、お兄ちゃん、お姉ちゃん、おやすみなさい♪』


:おやすみー

:いかないで

:まだいかないで

:おやすみなさい

:よく寝るんだよ

柿崎ゆる:お疲れさま

:お疲れさまー

:次も見るよー!


------放送は終了しました------


「ふぅ⋯⋯」

 僕は配信を切り息を吐いた。


「思ってたより疲れたけど、楽しかったな」


 自分の発言に対して色々なコメントが寄せられるその光景が楽しかった。


「あっそういえばゆる先生がコミケがどうのって言ってたっけ」

 その瞬間ピロン、とメッセージが僕のスマホに届いた音がした。


「噂をすればってやつかな?」


件名:コミケについて

本文:さっき言っていたコミケについてだけど、私達のサークルの売り子として来てくれるならっていう条件でなら一緒に参加する人がいいよって言ってたんだけど、どうかな?

ただ一応コスプレしてもらう必要があるんだけど⋯⋯

一応壁サークルだから忙しいかもしれないから最終的な判断はお任せするよ?


「こ、コスプレ!?」

「う、うーん⋯⋯でも⋯⋯衣装なんて僕持ってないんだよね⋯⋯」


件名:Re:コミケについて

本文:ありがとうございます!

とても有難い話なんですけど僕あの男ですし、コスプレなんてしたことないですし、コスプレの衣装も無いので厳しいと思います・・・。


 これで返信しよう。


 流石に全部お世話になる訳にもいかないしね。


 そして返信をしてから数分後、通話がきた。


「えっとゆる先生?どうしたんですか?」


「コスプレ衣装、用意する。

お化粧もやってあげる。

だから来ない?」


「え、いいんですか⋯⋯?」

「きっとコスプレして販売すれば白姫ゆかの名前ももっと売れるはずだよ」


「ぼ、僕なんかで大丈夫なんですか⋯⋯?」

「大丈夫だから安心していいと思うよ?キミ、本当に可愛いから自信を持って」


「それと新衣装、コスプレで発表にしようか」

「えぇ!?」


「その後に3Dモデルにしてあげる」

「でもお金なんて無いですよ⋯⋯」


「代わりに白姫ゆかで本を描かせて欲しいかな」

「そんなの許可なんて必要無いですよね?デザインはゆる先生なんですし!」


「一応二次創作になるから公式からOKが出てるかどうかってのは結構重要なんだよ?それに著作権はキミが買い取ってるからね?」

「そういうものなんですか⋯⋯?」


「そういう事だからどうかな?悪い条件じゃないと思うんだけど」

「それじゃあお願いします!」


「うん、分かった!出発日が決まったら教えるからその時はよろしくね!ちなみに名前ってなんて呼べばいいかな?ずっとゆかちゃんだったりキミっていうのは失礼かな?って思うんだけど」

「えっと、姫村優希です」


「ふふふ、可愛いキミにぴったりの名前だね、優希くん?」

「あ、あう⋯⋯」

 女の人に下の名前で呼ばれるのは初めてで思わず照れてしまった。


「照れてる?」

「き、気のせいです!」

 強がっちゃったけどそれも仕方ない、僕男の子だもん。


「私の名前も言っておくね、遊佐薫、略してゆるって訳だね」

「薫さん、ですね!」


「お姉ちゃんって言ってもいいんだよ?」

「いやいやいやそれは⋯⋯」


「ふふっ冗談」

「やめてくださいよ!」

 そこで僕はふと思った。

 ここでゆかの声で本名をお姉ちゃん呼びしたらどうなるのか。

 ちょっとした仕返しくらいいいよね?


「まぁそういうわけで多分現地で集合する事になると思うから泊まる場所は自分でどうにかしてね!」


「うん、分かったよ!薫お姉ちゃん♪」


「ふぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 もの凄い音が聴こえたと思ったら次は扉が開くような音が聴こえてきた。

『え?ちょっとお姉ちゃん!?大丈夫!?これ通話中?えっと誰か分かんないけど一回切りますね!後でお姉ちゃんに連絡させますから!』


 や、やりすぎちゃった?


--------ネット民の反応--------


[最カワボクっ娘]白姫ゆかについて語るスレ[まさかの個人勢?]


115:名前:名無しのお兄ちゃん

今回の配信見た兄、姉達集まれー


116:名前:名無しのお兄ちゃん

>>115

呼んだか?


117:名前:名無しのお姉ちゃん

>>115

お呼びのようね


118:名前:名無しのお兄ちゃん

俺見れなかったんだけど今回の配信どうだった?


119:名前:名無しのお兄ちゃん

ゆるママがやばかった


120:名前:名無しのお兄ちゃん

ゆるママが完全にどハマりしてたな


121:名前:名無しのお兄ちゃん

ワンチャンコミケ参戦だってよ


122:名前:名無しのお姉ちゃん

>>121

えっ?Vtuberなのにリアルに参戦するの?


123:名前:名無しのお兄ちゃん

まぁ言うて個人勢だし出来る事なんだろうな


124:名前:名無しのお兄ちゃん

これで中身も美少女だったら最高だよな


125:名前:名無しのお姉ちゃん

あれ?あの配信で違和感感じてたの私だけ?

ゆかちゃん好きな人に彼氏いるって言ってたんだけど

相手男?女?って一人で困惑してたんだけど?


126:名前:名無しのお兄ちゃん

>>125

あれ?そう言われるとおかしいな

いやでもあの声でボイチェン使ってる男はあり得ないだろ常識的に考えて


127:名前:名無しのお姉ちゃん

まさか男の娘⋯⋯ないよね


128:名前:名無しのお兄ちゃん

いや無いだろwwwww

でもあったらそれはそれでありじゃね?

リアル男の娘Vtuberとかそうそういないぞ


129:名前:名無しのお姉ちゃん

>>128

確かに

大いにありね


130:名前:名無しのお兄ちゃん

男の娘だからボク呼びって可能性もあるよなとか


131:名前:名無しのお兄ちゃん

まぁ、そのうちわかるだろ?


 ネット民の予測はかなりいい線行っていたのだが、優希を見て判る人がどれだけいるかは当日までわからない。


------ゆら視点------

 私の名前は遊佐由良、柿崎ゆること遊佐薫の妹である。ネットでは私はゆらの名前で活動している。


 そんなある日お姉ちゃんの部屋からもの凄い 声が聴こえてきて何事かと思って入ったら、お姉ちゃんが茹で蛸のように真っ赤になって鼻血を出しながら倒れていた。


 通話をしていたようだったので相手に通話を切る旨を伝えてお姉ちゃんを介抱する。


「お姉ちゃん?大丈夫?」

「ごめんね、ゆら」


「一体何があったの?」

「えっとさっきコミケの事聞いたよね?」


「うん、ゆかちゃんの中の子が参戦するんでしょ?」

「その話してたら可愛くてちょっといじるような事言っちゃったんだよね


「うん、それが関係してるの?」

「今後の為にもお互いに本名名乗ってね。」


「ほうほう、それであの子の名前は?」

「姫村優希くんだって」

「名前まで可愛いとか反則か?」


「うん、まぁそれでね、いじった仕返しに薫お姉ちゃんって言われて死にそうになった」

「もうだめだこのお姉ちゃん」」


「だってあんなに可愛いんだよ!!!

仕方ないじゃん!」

「いやまぁ気持ちは分かるけどね?」


「毎回鼻血出す訳にはいかないでしょ」

「うぐっ」


「耐性、配信で付けれるといいね?」

「が、頑張る⋯⋯」


 あえて言おうと思う。

 うちのお姉ちゃんも可愛い。

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