6:初配信!
前に僕がチャンネルに上げた動画が想像以上にいい評価をもらい、チャンネル登録者数も着実に増えていった。
料理動画以降に投稿出来た動画は二つしかなかったけれど、皆楽しんでもらえたようでとても嬉しかった。
本来だったら料理動画以外を作って上げていきたいところなんだけど、配信をしていないので視聴者の希望が分からないから、まずは料理動画でお茶を濁す事にしたんだ。
初回が唐揚げ、卵焼き、きんぴらごぼうだったけれど、第二回がパスタ、僕はカルボナーラが好きだからカルボナーラを作ったよ。 ローマ風っていう生クリームを使わないレシピにしたんだけど、手軽で美味しくていいよね。
第三回目は天津飯、卵の中にかにかまを入れてふわふわに焼いてご飯の上に乗せて中華あんをかけたら完成のお手軽料理。
そんな動画を編集し投稿して土日はアルバイト。 気付けば次の週の週末になっていて普段よりも時間が経つのがとても早く感じた。
この調子で行って収益化が通ったらアルバイトしなくても良くなるのかな、なんて事を考えながら僕は配信を始める準備をしていた。
今日は全身を映しながらの配信にする予定なので、フルトラッキングをするために装置を身体に装着していく。
このトラッキングに使うアイテムは一個一万円程度で購入出来るけれど何個も使わないと全身トラッキング出来ないのが難点。
僕は予備も含めて十個用意しているよ。
あとは指の動きをトラッキング出来る手袋。
着けていると暑いからクーラーを入れて熱中症にならないように気をつけるよ。
ピヨッターで10分後に配信を始めると告知してYoutubeLiveの設定を確認する。
次に配信ソフトを起動し3Dモデルを表示し動かすソフトウェアを連携させる。すると3Dモデルが表示され僕の身体の動きに合わせて画面に映った白姫ゆかが動き始める。
指などもしっかり動く事を確認して準備は完了。
声を作り今の僕はボクになる。
そして配信開始の時間になった。
さぁ、ボクの本当のVtuberデビューを始めよう!
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『皆、お待たせ!白姫ゆかだよ!』
:まってた
:キタ━━━ヽ(ヽ(゜ヽ(゜∀ヽ(゜∀゜ヽ(゜∀゜)ノ゜∀゜)ノ∀゜)ノ゜)ノ)ノ━━━rrrっ!!
:既にかわいい
:ゆかちゃんかわいいしゅき
:今日は何やるんだろう
ボクが挨拶をするとコメントでみんなが反応を返してくれる。
最初からここまでの歓迎をされるなんて普通個人勢ではなかなか見れない。本当にゆる先生に感謝、だね。
『今日はボクの放送に来てくれて本当にありがとう!今日はボクの自己紹介を改めてさせてもらって、それからピヨッターで募集してたましゅまろをやっていこうと思うよ!今後の動画に関わるアンケートもするからよかったら最後まで付き合ってね♪』
:ましゅまろ送ったよー読んで欲しい!
:俺も送った!
:私も送ったよー!
:アンケートも気になって夜しか眠れない
:付き合う(意味深)
『それじゃあまずボクの自己紹介から!ボクは最初にも言ったとおり白姫ゆか、今17歳で身長は150cm!』
:嘘だ、絶対嘘だゾ
:どう見ても140cmあるかどうかなんだよなぁ…
:って17歳マジ?
:チャンネルのプロフィールに書いてあるから間違い無いと思うYotubeで収益化するなら年齢は偽れないからね
:博識兄貴たすかる
『だって現実では150cmなんだもん!』
:Vtuberがリアルの話をし始めて草
:草
:わろた
:キャラ設定もクソもなくて草
『う、ま、まぁそこは置いておいて!ボクを作ってくれたママは柿崎ゆる、ゆるママだね!』
柿崎ゆる:もう死んでもいい…
:ママ唐突に現れたと思ったら死んだ件について
:ゆるママ!?
:いつものクールなゆる先生はどこに!?
:正体現したね
『あわわわわ、ゆるママ来てくれたんだね、嬉しい♪』
満面の笑みを浮かべてボクはそう言った。
柿崎ゆる:
:ゆるママダイーン!!!
:惜しい人を亡くしてしまったな…
:あの笑顔で浄化されたんだな、あれ?俺の足元が消えていく?
:あ“っ”
:なんか最初から死に人多くない?
『皆生き返って!?』
:いきかえった
:へへっただの致命傷だ、どうってことねぇ
:死んでないんだが
柿崎ゆる:つ、続けて大丈夫だよ
:ゆるママクールぶってももう遅いよ
『えーっととりあえずましゅまろいくよ?』
:ばっちこい
:焼きましゅまろにならないといいんだけど
:ゆかちゃん可愛いし大丈夫でしょ
:えっちなのはダメだからね!お兄さん許しませんよ!
『それじゃあ1つ目のましゅまろいくよー!』
「ゆかちゃんは個人勢ということですが
デビューするきっかけやそれにあたって苦労したこと
また推しや目標とするVtuberがいたら教えてください」
:真面目だ
:普通の質問で安心した
:でも確かに気になる
『まず最初にデビューのきっかけだね、恥ずかしい話なんだけどボク好きな人が居たんだ』
:えっ
:マジ?
:嘘だろ
:やめてクレメンス…
『それでねボクはその人の後輩でね、片想いだったんだけどある日にね、先輩に彼氏がいるのを見つけちゃったんだ⋯⋯』
:うわきつ
:泣ける
:私も経験した事あるから辛さ分かるよ…
『それでね、先輩もVtuberが好きでね、もういっそのことボクが有名Vtuberになれたら先輩を見返せるんじゃないかって思ってね、始めたんだ』
:そう繋がってくるのか
:なるほど
:失恋のショックでVtuberは斬新がすぎる
『辛気臭い話は終わり!次は苦労した事!
これは⋯⋯ボクの身体についてだね。
自分で作るのはどう考えても難しかったけど汎用モデルじゃ個性が出せないよね?
個性あるVtuberにしたかったから絵師さんを探すのが大変だったね。
最終的に昔からフォローしてたゆるママの絵が大好きで依頼したって感じだね。』
:やっぱバーチャル肉体の問題は誰しもが経験するよなぁ
:俺もそこで断念した
:汎用モデル最近マシにはなってるけど顔付きが一緒なのがネックだもんなぁ
『次は推しや尊敬するVtuber⋯⋯多いから迷うね』
:わかる
:面白い人最近増えたもんね
:それに企業も増えたからマジで追いきれない
『うんうん、分かるよ』
:その対象の一人が何言ってるんだよwww
:ただのVオタになり始めてて草
『とりあえず推しから行こっか!
いまなんじの七期生の浮雲ふわりちゃんだね!』
:わかる
:あのほわほわした感じたまらないよな
:趣味が合うゥ!
『次に尊敬するVtuber、これはVライブの一期生の閃光のシュバルツさんかな?』
:中二病ktkr
:あいつ名前は酷いのにめっちゃいい人間だもんなわかるわ
:あの人の人生相談枠で人生救われた人マジで多いもんなぁ
『それもあるんだけど、あの人の動画って凄く丁寧に作られていて、最近でこそスタッフもいるんだろうけど一期生って自分で編集とかもやる必要があったらしいからそれも含めて凄いなぁって思うんだよね、だから尊敬する人』
:確かに自分で全てやるのって大変だもんなぁ
:一時期本当倒れないか心配だったわ
:寝落ちした事も何回かあったの覚えてるよ私
『それじゃあ次のましゅまろ行くよー!』
「料理動画見ました、料理って家族にも作ったりするんですか?」
:あのご飯美味しそうだった
:わかる
:わかるわ
:思い出させるなお腹減ってくるだろ!
『ボクの家はね、両親共働きでねなかなか時間が合わないんだよね
昔お父さんやお母さんがお休みの時に作ってあげたらすっごく喜んでたっけ⋯⋯
でも今は一人暮らしだから自分の分だけだね』
:ええ子や、、、、
:ほっこりした
柿崎ゆる:ゆかちゃんのごはんたべたい…
:いなくなったと思ったら再浮上してきたぞこの人
:気持ちはわかる
『うぇぇー!?流石に他の人に食べさせてあげられるほどは上手じゃないよボク⋯⋯』
:はい切り抜きポイント
:うぇぇー!?可愛い
:はー!クソカワなんだが!?
柿崎ゆる:(´・ω・`)
:なんかゆるママまで可愛く思えてきた俺はだめかもしれない
『き、機会があれば⋯⋯って事でだめかな?』
柿崎ゆる:言質はとった
:ひえっ
:ヒエッ
『そ、それじゃ次いくよ!』
「ゆかちゃん大好き!」
『えへへ、ありがとう!ボクもお姉ちゃんのこと大好きだよ!』
:っ!
:ッ!?
:頭が溶けるぅ〜
『時間も押してきてるからさくっと次行くよー皆戻ってきて!』
「唐揚げとフライドチキンどっちが好き?」
『唐揚げ一択、異論は認めないよ』
:あっはい
:アッハイ
:唐揚げガチ勢だこれ
『はいつぎー!』
「お兄ちゃん、お姉ちゃん呼びされて心臓やっちゃったらお見舞い来てくれる?」
『むしろそんなことで病院行かないで!?というかガチで起きるなら精密検査だよ!?』
:やさしい
:でも起きるんだよなぁ
:俺もよくなる
:私もよくなる
柿崎ゆる:私もなる
:ゆるママwww
:ゆるママ草
『それじゃこの勢いで次いくよー!』
「好きな事にゲームとありましたが、好きなゲームのジャンル、それと得意なゲームのジャンルを教えてください!」
『いい、質問だね』
:誰だお前
:妙にイケボっぽくすなwww
:そのモデルから出ていい声じゃないwww
:草不可避
『ネタはここまでとして、好きなジャンルはアクションRPGで、得意なのはシューティングだね』
:ほうシューティングですか
:FPS?
:アクションRPG楽しいよね
『そうそう、FPSとかだね!』
:実況配信とか見たい
:わかる
:まってる
『それはやるつもりだから安心してね!』
:やったぜ
:やったわ
:嬉しい…嬉しい…
『それじゃ次が最後だよ!』
「来月コミケあるけどコミケにサークル参加とかするんですか?」
『ボクもそれは考えていたんだけどね、ボクがVtuber始めようと思った時には既にサークルの募集期限終わってたんだよね、だから参加は出来ないかな?』
:それはしゃーない
:仕方ないね
:コミケのサークル募集期限早いもんね
:ボイスとか販売して欲しかった⋯⋯
:ほんまそれ
:それな
『残念だけど参加するなら冬コミになると思う、皆ごめんね?』
:大丈夫
:まってる
:ずっと寝てるから冬コミ前に起こして
柿崎ゆる:待って
:ゆるママ?
:なんだなんだ?
『ゆるママ?』
柿崎ゆる:私、サークル参加するから一緒に来ない?
『えっ?』
:えっ?
:まじ?
:合同ブース?
柿崎ゆる:詳細は後で、送るね。
『ええええええええええ!?』
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