22.いま いるところ
Can you recognize whether your next step is up or down?
「上っているのか下っているのか」
✿
3年前の夏
世間が夏休みに入った頃
明治大学博物館の特別展
「立体錯視の最前線」を訪れた
杉原厚吉博士が主導する研究を
一般に向けて分かり易く解説した展示だった
エッシャーの世界を具現化したような数々のモデルに
鑑賞者は子供もおとなも例外なく
小さな歓声を上げていた
計算された錯視が見せる世界は
ともすればエンターテインメントにも思えるが
これはれっきとした研究の過程であり成果であった
博士が研究を通して目指しているのは
観る者を引き込む錯視作品の創出だけでなく
日常の生活に潜む危険を見いだし
理論的に回避することにもあるとのことだった
傾斜の見間違いによる足の踏み外しや
自動車のアクセルの踏みすぎを防止するなどが
その典型例だそうだ
しかし
展示物には丁寧な試行錯誤の跡が見て取れ
ひとつひとつを楽しんで作った過程が
溢れているようだった
「仕事を楽しむ」
錯視以上に感嘆の声が漏れる展示だった
–––✧✧✧–––– ❖ ––––✦✦✦–––
(写真を近況ノート”「22.いま いるところ」のノート”に載せました)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます