あの日の僕は誰？

4．妄想を止めるな

まだ夏には遠いある日、よく行く近所の高台から、真夏のような入道雲を見た。

写真を撮ったあともしばらくその雲がゆっくり動くのを眺めていた…。

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“Feel free to daydream”

Dragon, pterosaur, Swift’s Laputa, Ironman, Superman, and so on.

What can you find in a thunderhead?

One day I found a white glider-like aircraft. It had a long wing, but not a body. And I might see a pilot who did lie on the flyer just like…Yep. Just like a Möwe. That’s Nausicaä’s glider.

What I wanna say is… A cloud in the sky on that day was very magnificent, as if I believed some fantastic world in the cloud.

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今日もあの丘の上にいる

夕暮れ間近の北の空

夏に聳（そび）えるような雲がある

空を濃い青にしたかったから

シャッタースピードを少しだけ早くした

シャッターを切った後

カメラを片手にしばらく佇（たたず）んだ

雲はゆっくり形を変えていく

大口を開ける怪獣のようだな

あれはエラだ

エラを持った怪獣だ

すると水棲か

なら海獣か

いやあそこは上空だから

空気が薄くても

大きな体を動かせるような

特別な呼吸器官があるんだ

それがエラに見えるんだ

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そんな妄想を広げながら

ぼぉっと雲を眺めていたら

左からふたつめの雲の

もくもくとしたところが膨らんで

何かがぷつっと飛び出した

と見る間に右の膨らみの中に

ぽすんと飛び込んでいった

あっという間の出来事だった

カメラを構える間もなかった

でも僕にはちゃんと見えた

あれは………そう

たしかに

胴体のない白いグライダー

メーヴェだった

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（写真を近況ノート”「4．妄想を止めるな」のこと”に載せました）