第29話 陛下からの依頼
29 陛下からの依頼
ノイエマンとヤーナを呼んで空地になっている敷地に家を建て様と思って居る。
基本は玄関ホールを入って正面に中折れ式の階段で2階は左側に予備室・食堂・執務室・居間・寝室の5部屋向かいにノイエマンの執務室とヤーナの仕事部屋後は予備室に。右側は客間と客用サロンにする。
3階はノイエマンとヤーナの私室を各一室で後は使用人部屋に、一階はホールの隣に客間が必用だろうけど後は任せる。
屋根裏は妖精族の住居にするから出入口一つ以外は必用無し。
条件は裕福な商人程度の内装で伯爵様の手出しは無用。ゴテゴテした装飾は無用だ。
費用の予定は金貨5.000枚位迄で頼む、設計図が出来たら見せてくれ。
とノイエマンに丸投げだ。
一ヶ月後ウーニャ達に集まって貰い魔力量の測定と魔法の練習に依る成果を確認した。
ヘムは外周が9になり内周は一周している。
魔法は少し威力が上がり雷が使える様に為りつつある。
エミリーは外周が8~9で内周は一周している。
生活魔法が使える様になったと喜んでいた。
キルザとキューロは外周が4に届くかなって観測できたが潜在魔法能力は表示されない。
ウーニャは外周一周と半分、内周も一周していて変わらずだが、生・水・土・結・空の内生活魔法が使える様になり水魔法を覚え始めたとニッコニッコだ。
サイナムも外周が9になり内周が一周していて潜在魔法の生活魔法の光が見えて来て使える様になるのも近いと喜んでいる、火魔法は難しいと苦い顔だ。
解ったことは内側の線は魔力量の限度線だ、一周して仕舞えば魔力量は増えない。
ウーニャがそうだ前回と今回は変わらずだが潜在能力を理解し、練習して魔法は使える様になっている。
他も魔力量増大や魔力を練る練習で魔力量が増えて内周が一杯になった。
皆は多分魔力量はこれ以上増えないだろうが魔力を練る練習や増大させる訓練は回復力の速さに貢献すると思われる。
キルザとキューロには魔力量増大に魔力ポーションを使って見ようと思うが内緒だ。
◇ ◇ ◇
ハイド男爵の訪問を受ける。
「珍しいですね。何か御用ですか」
「いや伯爵邸に呼ぶと余り良い顔をされないのでこちらから来た。と言うのは冗談として王都に出向いて欲しいんだよ」
何故って顔をすると苦笑いで説明された。
エスコンティ伯爵領に妖精族の軍団が現れ、魔獣野獣の襲撃を受けたエルクハイムの街を救援し魔獣や野獣を蹂躙した。
と噂になって陛下からの詳細を説明せよと呼び出しとの事だそうだな。
だから面倒事は嫌い何だよなー。
「俺はその場に居なかったし、現場を指揮したのは伯爵とギルマスだろう。二人が行けば済むことじゃないか。」
「悪足掻きはするなよ、妖精族にエルクハイム救援を依頼したのはアルバートだととっくに報告済みだ。それにアルバートが行けば当然フィーィやフィーェとその一族も着いて行くだろ、説明が簡単じゃないか」
「顔が笑ってますよ。たく陛下は性格が悪いから嫌いなんですがねー」
「オイオイ不穏な言動だな」
「何が不穏ですか、前回俺を出汁に嫌な貴族連中を一網打尽に捕縛して大笑いしてましたよ。餌にされた俺は良い面の皮ですよ」
ハイド男爵腹を抱えて笑ってやがる。
「処で家を建てるんだって」
「ノイマンから聞いたんですか」
「そんなスパイ見たいな事はさせないよ」
「街で噂になっているよ。予算金貨5.000枚の大仕事になるからと皆張りきっているよ」
「間取りの概要を伝えて設計をノイマンに頼んだのだが設計屋辺りが吹聴したのかな。今度は伯爵様に手出し無用と伝えて下さい。辺境の小伜にはキラキラしすぎて落ち着かないから」
「それにしては張り込んだな」
「溜め込むでばかりだと世間が回りませんからね。家さえ建てて於けば後は住宅の家賃と薬草集めで生活出来ますから」
「まっそう言う事で出発の日時は又連絡するよ」
ハイド男爵が帰ったのでノイマンを連れて商業ギルドに出向く。
受付カウンターでブラックカードを見せてアルバート個人の口座から執事のノイマンが管理する口座に5億ダーラを移しノイマンに確認させる。
「後は頼む。陛下の呼び出しで又暫く王都に行かなければ為らないから。家の間取りは出来ているかな」
設計屋に行けば間取りの全容は判るとの事なので設計屋に寄り道、間取りの詳細図を見て家は土魔法で作るので設計図を持って明日の朝に来てくれとお願いする。
敷地の概略を示し厩と厩番や御者庭師の住居の設計も頼む。
何か成金ぽくなってきたなと苦笑い。
翌日は設計図睨みながら先ず地盤固めからだ。
次に外壁を建て間取りに合わせて内壁を作りと面倒です、屋根は上に土を敷いて草花が生える様に勾配を緩くする。
設計屋に間取りの確認をして貰い内装はノイマンと相談してくれと頼む。
今回の王都行きは自分の馬車で行く事にする。
伯爵様の馬車で行くと自由が大幅に制限されるので窮屈だ。
ウーニャ達を護衛にすれば道中夜営も楽々だし自前の護衛も連れていると断れる。
帰りも勝手気ままに日程を組めて寄り道し放題と言うことなしだ。
では伯爵と談判だ、おー。
執務室で伯爵様が渋い顔をして日程を合わせて行きたいのだがとごねる。
「雁首揃えて説明する必用ないでしょ。エルクハイム防衛の詳細は報告済みの筈だし、妖精族の事なら俺が行って説明します。実際にフィーィやフィーェを紹介し序でに一族300人少々の実力を示して、国の軍事力に組み込まない様に釘を刺して来ますから」
他の貴族の手前も有るから穏便にしてくれと頼まれるが聞けない話だ。
「他の貴族連中がグダグダ言うなら一発噛まして黙らせます。それに折角顔を隠して謁見したのに陛下が酒の席で白い狐の話を自慢したせいで、知らぬ間に多数を招待しての展示即売会でした。お陰で顔がばれた恨みが有ります」
在庫の魔獣を売る事には文句は無い。
然しいきなり顔ばれになって碌な謝罪も無いのではやってられない。
「妖精族を人族の都合で利用させる気は毛頭無い、人族同士或は国家間の戦争で俺の力が必用なら正邪を見極めたうえで考慮の余地が有る。今回王都へ行くのを同意したのは偏に王侯貴族や冒険者一般市民に至るまで迂闊に妖精族に手をだせばどうなるか知らしめる為なのですよ」
エスコンティ伯爵が同意出来ないなら貰った土地を返却し、エルクハイムでの全ての権利を放棄して他に移るだけだ。
別にエスコンティ伯爵領にもこの国にも未練は無い、本来成人したら冒険者になって各地を巡るつもりだったのだ。
ハイド男爵との出会いと成り行きでこの地に居を構えただけだからな。
「解った、陛下には手紙で知らせて置くから必ず王宮に顔を出して陛下と面談してくれ」
「分かりました。近日中には王都に伺いますが日時はお約束出来ませんが宜しいですね」
さて旅立ちの準備とフィーィ達に詳しく話し、いざとなったら森に帰って貰わなければな。
エルクハイムを旅立ったのは7日後だった。
同行者はウーニャ・キルザ・サイナム・ヘムの四人だ。
御者席に二人車内に二人で1時間毎に持ち場を交代して行く。
御者席右→御者席左→車内右→車内左で又御者席右となる。
王都迄普通に行けば馬車で12日2週間の行程であるがのんびり行く事にした。
但し宿には泊まらない、宿に泊まるよりドームを造って寝泊まりする方が快適だし宿場迄無理矢理走る必用も無い。
ウーニャ達には四人で使うマジックバッグを渡して衣類から簡易ベッド椅子テーブルから布団と一ヶ月分の食料を持たせてある。
勿論俺は俺で持っている、コステロに頼んで五人の一ヶ月分だ。
スープ等は寸胴で持ちサラダやステーキ等は大型の容器に纏めて入れてあり食事毎に盛りつける。
雨が降れば停滞だ驢馬や馬車は蒲鉾型のドームを造って入れ、俺達は丸いドームで朝寝坊に昼寝と妖精の実で造った酒で酒盛りとしゃれ込む。
妖精族の一団は近くの森でハンモックに包まるか、俺の処で天井からハンモックを吊してブラブラしている。
たまに出没する獣は妖精族が上空から監視しているので遠くで発見、早期発見即討伐で俺達の出番はまったく無し。
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