第6話 獲物の買い取り
冒険者ギルドへ向かっていると道沿いに屋台が並び、旨そうな臭いが漂ってる。
屋台で串焼きやスープを買い込みその場で頬張る、美味い!料理の練習と調味料を手に入れるのを忘れない様にしなければな。
まだまだ食べ足りないが冒険者ギルドで買い取って貰ってから満足するまで食べよう。
ラノベでも冒険者ギルドは朝は混み合っているとなっているからな、お約束の絡みは無しに願いたい。
周囲を見渡しても鎧を着込み槍や弓を手にし、腰にはロングソードやショートソードを挿して朝食を食べている人が多数見受けられる。
食べ歩きながら門に向かっている冒険者風の者も多い。
急がず慌てず空いてます様にと願いながら冒険者ギルドへ、盾に槍と剣を交差させた看板の冒険者ギルド発見!
何かテンションが揚がるんですけど(笑)目の前には西部劇に出て来る様なスイングドアだ。
ラノベのテンプレ無しでお願いしますと考えながら中へ、正面のカウンターには綺麗なお姉さんが・・・一人も居ない。(泣き、ラノベの嘘つきー)
ゴッツイ叔父さん叔母さんの鎮座ましますカウンター、空いている処に声を掛ける前に
「アルバート君ですか」
と問い掛けられる。頷くと暫くお待ち下さいと言われ、その職員は裏へと消える。
カウンターの前でぼんやりしているとドタドタと数名の足音と共に、ハイド男爵とそのお供参上
門番が御注進に及んだな、空間収納に溜まっている魔獣や野獣に薬草等を売り捌いてから逢いたかった。
仕方がないので御挨拶。
「お久しぶりです」
「遅かったな待ち侘びたぞ」
ニコニコ笑いながら目の前に立つ。
「手持ちの物を売り払ってから伺おうと思っていたのですが」
「あぁ来るのが遅いから村に人を遣ったら森に入ったきり帰って来ないと聞いて心配してたんだ。無事に此処に来たのならどの程度の物を狩って来たのか興味があってな」
「えーっと熊と狼に狐に猪それにオークかな、それと薬草に蜂蜜等も有ります」
ハイド男爵の隣に立っていた男性が本当かと聞くので沢山有りますと応える。
「あぁ紹介しておこう、エルクハイム冒険者ギルドのサブマスターのグリムスだ」
紹介されたサブマスターが疑わしそうな顔付きのまま、解体場で出して呉れるかと歩き出す。
ハイド男爵が苦笑しながら着いて行きその後に続く。
無理も無いまだ14才の見るからにガキが、熊や狼に猪とオーク等と言っても信じられないだろうからね。
ギルドの奥に行くと広い解体場が在った。
此処に出してくれと言われたので、取り合えず各種一体ずつ出すことにした。
ゴールデンベアと呼ばれる金毛熊に金毛のパープル種とレッド種の三体を置く。
金毛の隣にはブラウンベアとパープルとレッド
次にブラックウルフとパープルとレッド
隣にグレイウルフにパープルとレッド
そしてシルバーフォックスにパープルとレッド
3体づつ並べて行くと
「一寸待て!」
と悲鳴の様な声がした。
サブマスターが青い顔をしながらお前が狩って来たのかと詰め寄って来る。
「はい、森の奥に行くとこんなのばかり出て来ますからねー」
「猪やオークと言っていたがそれもパープル種やレッド種もいるのか」
いると答えると猪とオークを出したら取り合えず止めてくれと言われたのでそれで出すのを止めた。
サブマスターのグリムス以下ハイド男爵や、以前俺を怒鳴り付けたお付きの騎士と従者も青ざめた顔で見ている。
「アルバート悪いが後で詳しい事を話すから、全てのパープル種とレッド種を仕舞ってくれ」
そう言われて面倒だがパープル種とレッド種を仕舞った。
サブマスターのグリムスが何故仕舞うのかと抗議している。
ハイド男爵がこんな物を大量に出したら、どんな事が起こるか判っているのかと聞くと黙ってしまった。
領主とギルドマスターで話しあってからだと言われて渋々頷いている。
冒険者ギルド2階応接間でギルドマスターとサブマスター、向かいにハイド男爵と俺が座る。
ハイド男爵の後ろには騎士や従者が控える。
開口一番ハイド男爵はギルドマスターに、解体場にいて俺が出した物の事を漏らさない様に全員に箝口令を敷く事を要求した。
ギルドマスターもサブマスターから話しを聞いていたので渋い顔ながら了解する。
その上で猪とオークのパープル種とレッド種は一体づつで良いからギルドに卸す事を要求、これはハイド男爵も受け入れていた。
俺抜きで話しが進んでいる
「何故そんな話しになるのか、買い取って欲しいから出したんだが」
ハイド男爵がギルドマスターやサブマスターと顔を見合わせて苦笑する。
「すまんなアルバートお前の出した魔獣や野獣なら未だしも、進化種のパープル種やレッド種は迂闊に市場に出せないんだ」
ギルドマスター曰く通常のオーク一体で金貨3枚、状態が良いので銀貨5枚を上乗せして35万ダーラになる。
オークのパープル種で最低金貨7枚の70万ダーラだが、レッド種だとオークションに掛けられるから最低落札価格は金貨15枚位から上限無しだと言われた。
それと猪と言っている角猪で金貨3~4枚、パープルで金貨7枚は固い。
レッド種はオークションで最低落札価格は金貨12~14枚はいくだろう。
ざっとオークと角猪六体で金貨40 枚は堅いな。
それにゴールデンベアにブラウンベアだろブラックウルフにグレイウルフとシルバーフォックスだ。
進化していない通常種とは言え、森の際奥部にしか居ない化け物揃いなのでオークションに掛けるべきた。
一体最低金貨20枚として5頭で金貨100枚合わせてざっと金貨140枚だ、半金の金貨70枚を仮払いしておくがそれで良いか。
オークションに掛ける物の最低金額は、オークション開始価格で落札者次第で最終価格は不明だ。
つまり残り半金より増える事は在っても少なくなる事は無いから安心しろ、って言われた。
このままでは厄介ごとに巻き込まれるのは必死、なので条件付ける事にする。
「パープルやレッドをオークションに出すには条件が有る」
俺の要求に、話しを聞いてからだな無理なら断るとギルドマスターの返答。
「面倒事は御免なので今回も含めてエルクハイムの冒険者ギルドに、俺が持ち込む物については一切他言無用にして欲しい」
「まぁそうだろうな、判った今後は受付で俺かサブマスターを呼んでくれ。俺はギルドマスターのヨドニスだ」
「ナムラード村のアルバートです」
「受付にはお前の容貌を伝えておくから名前を名乗って俺かサブマスのグリムスを呼び出してくれ」
「もう一つ、辺境育ちで成人前の物知らずな為魔獣や薬草等冒険者ギルドで売れる物の知識が無いので教えて欲しい。」
「それは大丈夫だ、読み書き出来るならギルドの資料室を解放してやる。出来ないなら専門の職員を紹介してやるから聞け」
「助かります。何せ俺の鑑定では魔獣や
野獣は危険・旨いとしか解りません。薬草も薬草・毒草・食べられるですから、名前すら解りませんので」
「処で後どれ位持っている」
ギルドマスターのヨドニスの問いに、さっき見せた以外にも金毛熊や狼に狐等数頭から十数頭いると少なめに答える。
パープルやレッドも多数いるし、オークや猪なら数十頭持っていると答える。
他に持ってくいる物はの問いに用途は知らないが薬草が数十種類、炎の様に真っ赤な蜂の蜜がたっぷり有ると答える。
「オイオイ火炎蜂の蜜だって、一寸出してくれ」
土魔法で造った大型の徳利を一本出すと詮を抜いて香を確かめ、買い取り専門の鑑定者を呼び鑑定させた。
「上物の火炎蜂の蜜に間違い無いですね、王家や貴族達が競って買って呉れますよ」
興奮気味に話す鑑定者に、此処で見聞きしたことは他言無用ときつく言って下がらせる。
「どれ位持っている」
「壷にして40以上だ、一壷でそれと同じ容器なら30本以上入るな」
ギルドマスターは唸り続けながら上物なら小さな壺一つでも金貨2枚は下らないなと呟く。
「一気に出せば混乱が起きるから、売りたい物は一つ一つ確認してから査定しよう。薬草や蜜等は商業ギルドでも買い取って貰えるからな、どうせ森の奥で採取した物ならとんでもない物が多数有るんだろう」
と笑いながら言われた。
「商業ギルドにも話しを通しておくから、売りたい物は一応査定して貰え。査定の為の鑑定料は銀貨1枚だが損にはならない筈だ、査定の結果を見てから冒険者ギルドに売るか商業ギルドに売るかを決めろ」
仮払いの金貨70枚を貰って冒険者ギルドを後にする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます