幕間 終りの刻<後編>
オレは今回の事件の数日前にエクスバースに呼び出された。
「よく来たな。」
そこには有間兄さんがいた。
「すまないな、エクリール。今回の件は有間に相談した。こちらにも少し気になることはあるからな。」
「言いたいことは大体わかる。お前はあまり俺の手を借りたくなかったんだろ。」
そう兄さんは言った。
「別にそんなんじゃ…」
「分かってる。どうしてお前が俺を避けるかもな。」
「…」
「ま、それはいいんだ。今はこれからのことについてだ。」
といって兄さんは一冊のぼろぼろの本を取り出した。
「これは初代の女神が残したものだ。ここにはお前たちが生まれたルーツがある。お前たちは確かに未離の感情から生まれた。だが、その元を辿れば初代の理想でもある。おそらくだが、俺と未離の関係を見て上手くいかないと悟ったんだろうな。」
「そこでだ…」
大きなモニターにエクステラが映る。
「新しい“元々の私たち“を私たちが自分の存在を賭けて完成させる。そのためにはエクステラが私たちの全てを理解して受け入れる必要がある。」
そう話がまとまると有間兄さんはどこかへ行った。
二人きりになったところで、
「本当にそれしかないのか。」
と聞いた。
「ああ、いつかはこういう日が訪れたんだ。あの日の約束を守るためにな。
それに…私だけは、これが完了したらもう元には戻れない。私は不良品だ。それでも私は、元々の私の気持ちに触れたいんだ。」
そう言っていたことを思い出し、私は自身の部屋で待ち受ける運命を待ち続ける。
「さて、私もため込んだものを全て吐き出すとするか…」
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