幕間 終りの刻<中編>

あれからオレは“怒りの感情”エクリールとして過ごした。


そして、末離の事件の後、オレはエクルを訪ねた。

「エクル、いるか? 」

その時、図書室の奥からエクルの声が聞こえた。

「ふふっ、そろそろ始めなきゃね…」

オレは見つからないように聞き耳を立てた。


「未離の器に、私たちの感情…そして、悪魔の持つ心!みんな揃う…その時、完全な私たちが完成する。」


オレはその時のエクルの考えが分からなかった。エクルは日に日におかしくなっていく。

オレはそんな何かを危惧した。だが、兄さんに頼るわけにはいかない。幾分か悔しいが、エクスバースに相談をすることにした。


「なんだ?お前がわざわざ私に会いに来るなんて珍しいじゃないか。」

「まぁな…」

オレはエクルのことを全て話した。

「ふむ、そうだな。少し預からせてくれ。私だけでは分からないからな。まぁ、私だからとでも言うべきか。」

「どういうことだ?」

「まぁ、言えば私が私じゃないということだな。詳しく言えば長くなるんだが、いわゆる空っぽというやつなんだ、私は。まぁ、この辺の話もまとまったら話をするよ。」

「そうか。なら監視は続けておくぞ。」

この時はそれで手打ちにした。

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