幕間 終りの刻<前編>

私は生まれ初めの会合から飛び出していった“怒り”の子を追いかけた。真っ暗な路地裏。私は“哀しみ”の感情だけど、恐怖や不安のような負の感情も抱えている。

「うぅ~、どこ~?」

震えた声で彼女を呼びかける。

「!?」

謎の悪寒を感じた。でも、それはどこか懐かしくて、心地よかった。



「…チッ」

オレはただ怒りのままに歩いていた。何に起こっているかって?それは分からない。ただオレは…私は、“怒り”の感情として…まぁいいか。

「ある程度の散歩(憂さ晴らし)も終わったし、戻るとするか。」

そう言って戻っていた途中だった。途中で倒れていた“哀”を見つけた。

「おい、大丈夫か?」

そう声をかけた時に、俺は一瞬だけ言い難い不思議な感覚に襲われた。

「うん…大丈夫だよ…」

そこにいた彼女は、どこか虚ろげだった。

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