選択
寝静まった頃、エクルは一人微笑んでいた。
「さぁ、時が来た…」
そう言い、部屋を出たエクルは不気味に笑っていた。
エクリールは一人精神統一をしていた。
その時、背後から声が聞こえた。
「時は来た…」
エクリールはその声を聴くと一つため息をつき言った。
「もうそんなタイミングか。意外と早いもんだな、幸せって…」
エクスバースは作業をしていた。
「よしこれでいいだろう。」
すると背後から声が聞こえた。
「時は来た…狂楽の探究者よ。心は満たされない。」
「早いな。ま、そんなことだろうと思ったが…。なぁ、エクル。」
「………これが悪いことだというの?」
「これが悪いかどうかなんて私は知らない。そんなことに興味はないさ。ただ、お前がその先をどう見ているかが気になるだけさ。約束を果たしてどうする。その先には何もないのに。」
「そうだって構わない。だって…
『約束が私たちの存在意義』」
「お前…、それは本体か。ずいぶんとこじらせているようだが、どうだ?今は兄だっている。お前にとっても十分なんじゃないか?」
「あれはお兄ちゃんじゃない。」
「そうか、オリジナルは今幸せに暮らしている。偽物同士だ。あれこそお前が求めているものだろ?」
「あれは私じゃない。」
「話は通じないってとこか。まぁいい。引継ぎは済ませたところだ。言っておくが今のままじゃお前は成功しない。絶対に。」
「う~ん、気分はなんかいつもよりいいけど何か嫌な予感がするなぁ。」
エクステラは廊下を歩いていた。
「時は来た…」
「ん?何?」
振り向くと白い何かがあった。
「恋をする喜びよ。恋は成就せぬ。」
「何?」
「なぜだ…」
「?」
「なぜ他の感情がある。」
白い靄からエクルが出てきた。
「なぜだ?」
「エクルちゃん?」
いつものエクルとは雰囲気が違った。
「まぁいい。お前の感情をいただく。」
エクルはエクステラの胸に手を伸ばした。
「な、なぜだ?なぜお前の中には核がない。」
「核?」、
「あるはずだ、お前の中には喜びの感情が…」
エクステラはあることに気がついた。エクルの中には何かがあることを。
「エクルちゃん、目的は何?」
「4つの感情を還元すること。ふふ、私たちはもう一度一つに戻るの。」
「ってことはもう…」
「そう、喜びだけ。でもあなたは持っていない。どこにあるの?!」
「そっか、エクルちゃんは私の状態を知らないのね。私はもう“ミリ”じゃない。“エクステラ“として、一人の女の子として存在してるの。私の体が今のこの体になった時に感情は私の存在と完全に融合したらしいの。集めることはもう不可能なの。」
「な、そうか。成功しないとはこういうことか。ふふふ、ならあなたの存在ごとのみこんであげる。」
エクルは本を取り出した。
「ワードクラフト「けん」」
本から剣を取り出し、そのままエクステラに突き刺した。
「あなたは殺さない。痛めつけて、消してやる。」
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