<第七話>魔王討伐作戦その5「魔族との交流 第三世代」
魔王討伐作戦を始めて二十年余りが経過した。
ほとんどの魔族と人間は「友達」のような関係だ。
魔族第三世代への取り組み
・人間との共存共栄の道を歩ませる
慣れ親しんだ魔族は人間の家に招待し、一緒に食事をする。
人間の家での食事に慣れてきたら、一緒に生活しても良い。
これから十年で第三世代を相手に取り組むこと
・魔王族のナワバリ確認
魔王族はナワバリ意識が強い。
いつも食事を与えて顔や匂いを覚えているにも関わらず、安易にナワバリ内に侵入すると攻撃的になる。
魔王族・及び一部の種族は、人間との交流が難しいことが判明した。
魔王族のナワバリを調査し、ナワバリの少し外側に人間用の道を作る。
(危険な場合は、仲の良い魔族に協力してもらう)
・ナワバリの外側に柵を設け、監視カメラを設置する
魔王族のナワバリに沿って人間用の通路が確保できたら (魔王族のナワバリに沿って人間が自由に行き来できるようになったら)、通路に沿って柵を設ける。
柵には監視カメラを設けて24時間魔王族を観察できる仕組みを構築し、魔王族の行動パターンを把握する。
特に知りたい情報は、「飛行性能」と「攻撃力」だ。
どれくらいの高さまで飛べるのか。
どれくらいのスピードで飛べるのか。
・魔王族の攻撃力
魔王族の行動を監視すると同時に、彼らの攻撃力も調査する
物理攻撃・魔法攻撃の威力がどれくらいか。
それらの攻撃を防ぐ方法を確立させる (急務)
・魔王族への食事提供
魔王族へは、引き続き食事を与え続ける。
人間から食事を受け取ることには慣れてきたようだ。
・酒類の提供
酒類を与えると、魔王族は喜んだ。
魔王族は基本的に酒豪揃いである。
魔王族を満足させるだけの十分な酒量を確保するのは大変だが、特に生産体制を見直す必要はない。
・睡眠薬と酒類の効果
魔王族を眠らせるための実験を行う。
食事と酒類に睡眠薬を少量混ぜ、効果を測定する
理想的な睡眠薬の効果
・飲用後、6〜12時間後に眠くなる
・1週間くらい眠り続ける持続力
・起床後、睡眠薬を飲まされたという認識が無いこと
・酒類に睡眠薬を混ぜる場合は、慎重に行うこと
【早急に取り組むべき課題】
魔王族に対して上記の効果が認められる睡眠薬の開発を急がせる。
攻撃力と飛行能力を把握した上で、ストレスが掛からない範囲で魔王族を閉じ込める“檻“を開発する。
長年にわたる魔王討伐作戦が、徐々に実を結び始めてきた。
魔王討伐まで、あと少しだ!
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