<第三話>魔王討伐作戦その1「情報収集」

魔王討伐作戦、最初の取り組みは「情報収集」だ。


魔族が住む森に近い村へ兵士を派遣し、魔族を偵察して欲しいことを伝えた。


要は、魔族の情報が欲しいのだ。


1.魔族の種類

2.種族別の習性・特徴

3.種族別の食事(種族別の好物)

4.魔族全体の組織図

(魔王を頂点にしたピラミッド型なのか?単独行動なのか?)


時間がかかってもいいので、これらの情報をなるべく細かく調べて欲しいことを伝えた。


魔族の生態を丸裸にできれば、魔王討伐の手がかりを掴めるはずと考えたからだ。




魔王討伐作戦を進める上で禁止事項を設けた。


『魔族を攻撃・討伐しないこと』


本作戦は魔王及び魔族を殲滅することが目的ではない。


場合によっては魔族に協力をしてもらうこともあり得る。


魔族に対する一切の攻撃行為を禁止した。






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作戦開始から一年後、多くの情報が集まってきた。


たった一年間の調査期間だが、魔族たちのことが大まかに掴めてきた。




【魔族の種類】


魔族は大きく分類すると三つに分けられる。


・飛行型

・四足歩行型

・二足歩行型


魔族の種類は思っていたより多かった。


細かく分類すれば、おそらく100種以上だ。




【魔族の食事と性格】


魔族の食事は大きく三つに分類される。


・肉食型(凶暴、交戦的)

・草食型(大人しい)

・雑食型(大人しいタイプと交戦的なタイプに分かれる)




【村を襲う種族】


収集した情報をまとめると、村を襲う種族は限定されることが分かった。


・飛行型の魔族は、村を襲わない。

・草食型・雑食型は、農作物を荒らす。

・肉食型は、家畜を襲う。

・人間を襲う種族は全て「二足歩行型で肉食型」の魔族である


二足歩行型の魔族でも人間を襲うのは中型に偏っている。


小型の魔族は実力的に不利だから襲わないと思われる。


大型の魔族は森の奥深くに生息しており、人間との接点が無い。


そして、魔王は「二足歩行型の大型」の魔族に分類される。




【村を襲う理由】


魔族が村を理由は、食事のためと推測される(ほぼ確定か?)


家畜や人間を襲うこと自体が目的ではないようだ(人間で言うところの快楽殺人とは異なるということ)




【魔族の組織図】


魔王及びその周辺の一部の魔族だけが優雅な生活をしており、大多数の魔族は不満を抱えながら生活をしているとのこと。


魔王を含めて優雅な生活をしているのは、比較的大型の二足歩行型の魔族であることが分かっている。


・魔王は魔族全体を統括しているわけじゃない。

・魔族は、基本的に種族単位で行動をしている。

・群れで行動する種族もあれば、単独行動の種族も存在する。




【魔族の生態】


魔族の生態は、とても大切な情報だ。


・寿命


ほとんどの魔族は、10年前後の寿命。


魔王の寿命は不明。




・知能


ほとんどの魔族は知能を持ち、一部の魔族は人間と同じ言葉を話す。


下級の魔族の知能は、人間に例えると3〜5歳くらいの知能である。


魔王は、他の種族よりも知能が高いと推測する。


とは言うものの、魔王の知能もそこまで高くはないはず。


人間と同等かそれ以上の知能を魔王が有していれば、人間は滅ぼされているか完全に支配されているはずだ。


・魔族が集団で攻めてこない理由は?

・なぜ時々村を襲う程度なのか?

・やはり村を襲う理由は食事なのか?




情報がまとまることによって生まれた新たな疑問


・『魔王』とは?

・魔族が村を襲う理由は食事?


この二つの疑問が解決できれば、魔王討伐の突破口が見つかる。

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