第17話 ヲタクモードの水瀬さん
図書室で大量のラノベを発見してしまった辺りからダメな予感はしていた。
そして、その予感は見事に的中した。
「主人公かわぁ、これは尊すぎる」
私は心の底からのため息とともに、そう言った。
参考書を借りるついでに、一緒に借りた本“転生したら村人Aでした”通称
でも勇者になって魔王を倒すわけではなく、自宅警備員になってやろう! という内容だった。
そしてここが私のイチオシポイント、主人公はとーっても可愛い幼女なのだ。
何を隠そう、私水瀬は大の幼女好き。
この設定が刺さらないわけがなかった。
そしてただダラダラと過ごすのではなく、自宅(職場)を快適にする為に増築をしたり温泉を作ったり。
異世界ならではのニート……でなく自宅警備員の生活が覗けるところが魅力だと思う。
とまあ(少し語りすぎてしまったけど)こんな感じの、私好みの本だったのだ。
結局第一巻は借りた日の晩に読んでしまい、 次の日から放課後は毎日図書室へと通うようなっていた。
そしてその後、田中君と図書委員になったりヲタク友達? になれたり、なんやかんやあって気が付くと、テスト当日だった。
(やばい……教えてもらったヤマしか勉強してない)
そう私は問題を眺めながら思った。
実は昨日、田中君から教えてもらったヤマだけは詰め込んだが、それ以外は勉強していなかった。
というよりも勉強をしようと試みたが、全く理解できなかったのだ。
そして、そのまま今日を迎えてしまった。
当然のことながら、テストの問題は得意としている現代文以外の教科は全く分からない。
「__はい、そこまで」
試験官がチャイムと同時にそう言うと、クラス内はお祭り騒ぎ状態になったが、私は明日から返却されるであろう(得点の低い)テストが怖くて仕方がなかった。
(次からはしっかりと勉強しよう……)
と毎度おなじみの脳内反省会をしながら、前の黒板をぼんやりと眺めていた。
そして終わりのSHRが終わり、校舎を出て、駅へと向かった。
__その道中、水瀬真雪はある緊急事態に遭遇してしまった。
そして彼女は、見た目はJK、頭脳は子供な迷探偵になるのである。
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