特別篇 はい、バレンタインデーです(前編)
「植くん!今日は何の日でしょーか!」
「…………………」
「植くん!今日は何の日でしょーか!」
「…………………」
「植くん!今日は何の日でしょーか!」
あえて無視してんだよ!気づけよ!お前はRPGのNPCか!怖ぇわ!
「…………………バレン」
「そう!今日はバレンタインデーだよ!植くん!なんのチョコ食べたい?私?それとも私?やっぱり私だよね!」
せめて最後まで言わせろや!しかも選択肢が私しかないんだけども?!いつから佳南はチョコになったのかな?!
「やだなぁ♡植くんが食べるのはチョコじゃなくて、私の処」
「シャラァーップ!フォーエバー!」
ラブコメをR18にするな!消されるぞ!
「放課後、楽しみにしててね?」
ちゃんとしたチョコがいいなぁ………
「待ってよお兄ちゃん!なんで先に学校行こうとしてるの?!」
「…………………チッ、邪魔が入りやがった」
こっわ、一瞬で態度急変したよこの人
「お兄ちゃん、私と学校行きたくないの?そうなの?ねぇなんで?ねぇ、ねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇ………………………お兄ちゃん?」
うーん、死かな?
「魅空………………俺の腕見てみ」
「…………腕?」
ジャランジャラン
「……………一応聞くけど、佳南さんや?この手錠何?」
「え?結婚指輪」
こんな物騒な結婚指輪あるかぁ!
「さっきっから佳南が引っ張るから痛てぇんだよ!俺の意思で歩いてる訳じゃないのよ!むしろ学校まで引きずられてんのよ!」
「せっかく生ゴミに付いてこられないように朝早く植くんの部屋に入って私と離れられないように付けたのに……………」
人の妹生ゴミ呼ばわりはやめてね?いや、これもだけど………!
「今何時だと思ってんの?!まだ朝の5時よ?!しかも佳南が寝起きで引きずってるから俺まだパジャマなんですけど?!」
せめて着替えたい!朝早すぎて見てる人がいないとはいえ恥ずかしい!
「私が生ゴミならあなたはさしずめミジンコってところかしら?私より小さいもんね?」
「そこしか比べられないなんて………これだから知能のない生ゴミは……………」
「「…………………………あ?」」
………………そーっと、そーっと音を立てずに……………
「せぇんぱぁ~い♡」
げっ!この声は…………
「うげぇ、お前か海月」
「んもう!可愛い後輩に向かって、うげぇだなんて!そんな失礼な先輩には~~~~えいっ!」
「モゴッ?!」
なんだ?!何を口の中に入れられた?!って………
「あ、甘くて美味い…………」
「ふっふーん!海月ちゃん特製手作りチョコレートです!今日はバレンタインデーですからね!先輩への本命チョコです!」
「あ、ありがとう…………」
本命ってはっきり言われると恥ずかしいな……………って
「手作り?」
「はい!」
「………………一応聞くけど、なんか盛った?」
「いえいえそんな!大好きな先輩にそんな事「正直な子が好きだなぁ」海外製の媚薬に私特製の発情薬混ぜた薬を混ぜこみました!」
「お前も食えや」
「モガっ?!」
「はぁ、全く油断も隙もない…………なんか熱っついなぁ、まだ朝早いってのに………」
なんか体がポカポカすんなぁ………って
「俺もチョコ食っちまったじゃねぇか!」
だからこんな熱いのか!クソっやべぇ!チョコのせいで俺の俺が………
「せぇんぱぁい…………酷いですよぉ」
「うわっ海月!後ろからのしかかってくんな!今あんまり力入んな…………」
「「何私の事置いといてイチャイチャしてるの?植くん(お兄ちゃん)」」
おおっと?即死かな?
「待って2人とも今力入んないからにもしないでくれると非常に助かるって人の話を聞いてぇ!」
「「問答無用!」」
「ぐげぇ!」
ドタァン!
「痛ってぇ……………道路で襲わんでくれ………………………って、ん?」
「ほわぁ♡」「ハァ♡ハァ♡ハァ♡」「ごくり…………」
なんだ?何を見て………………oh
good morning、my brother
「…………………死にたい」
▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂
バレンタインデーの事すっかり忘れてた
ちなみに何がグッドモーニングしてたかはご想像にお任せ致します
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