特別篇 はい、バレンタインデーです(後編)
「………て、…きて」
なんだ……?まだ眠い………もう少し……
「あと5分……………」
「そんなベタな返し言う人いるのね…………植付くん、そろそろ起きて、授業始まるわよ」
じゅぎょう……?じゅ業…………授業?!
がばっ
「今何時だ?!」
「8時30分よ」
「か、会長?!どうしてここに?!って………ここは……」
「保健室よ、
「かついでって………………あ」
そうか、俺あの後恥ずかしすぎて気絶したんだった……………
「あー最悪だー!よりによってあの3人に見られて…………」
「あ、私が介抱した時もそそり立ってたわよ」
「あんたもかブルータス!」
恥ずかしすぎる…………!
「ついでに言うと和さんと三毛野先生も見たわよ、あなたが倒れたって聞いて心配で見に来たわ……………見たのはあなたのそそり立ったブツだったけど」
「この世に救いはねぇのかチクショオォォォォォォォォォ!」
最悪すぎる………!よりによってこの6人に見られるとは………!
「いっそ殺して…………!」
「そんな事言わないで植付くん、これでも食べて元気だして?はい、あーん」
「え?むぐっ」
またこのパターン…………って
「ちょっと、ほろ苦い………?」
「私の好きな甘さのチョコレートよ、美味しい?」
「めっちゃ美味しいです、これ、どこのなんですか?」
「どこのって、手づくりに決まってるじゃない」
「手づくりですか?!手づくりでこのクオリティのチョコはすごいですね!」
お店のやつ並に美味い、いや、お店のやつより美味いな
「ほら、もう一個あるわよ。あーん」
「あ、えと」
本音を言うともう一個欲しいけど、あーんは恥ずかしい…………
キーンコーンカーンコーン
「あ!予鈴なりましたね!じゃあ!俺はこれで!」
ピューン
「あ…………全く、逃げ足は早いんだから………………逃がさないけどね♡」
▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂
ガララッ
「あ、植付くん、おはよう」
「おはよう和…………あれ?佳南は?」
俺を運んできたんだから俺より早く着いてるはずなんだけど
「師子倉さんなら虹原さんと魅空ちゃんと一緒に生徒指導室に連れていかれたよ」
「佳南と海月はいいとして、魅空が入ってよかったのか?まだあいつ中3だぞ?」
「ああ、それなら大丈夫よ。連れていったの三毛野先生だもん」
「ああ……………」
あの人、ルールなんか知るか!っていうスタンスだからなぁ
「そ、それより植付くん!」
「ん?」
「ほ、放課後時間あるかな?!」
「おう、あるぞ」
「じ、じゃあ放課後、屋上で待ってて!お願いね!」
「あいよー」
まぁ、予想はついてたけど……………
▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂
キーンコーンカーンコーン
さて、放課後になったし約束通り…………
「植付!生徒指導室に来い!」
グイッ
「うおっ?!ちょっ、先生?!」
急になんだ?!朝の事なら俺はなんも悪くないぞ?!
バタン
ガチャン
……………………ガチャン?
「植付、今日は何の日か知ってるか?」
「え?はい、バレンタインデーですよね」
「そうだ!バレンタインデーだ!というわけで…………」
バサッ
「ハッピーバレンタイン♡先生を、召し上がれ♡」
「………………………は?」
…………………まてまてまてまって?!目の前の光景は現実なのか?!いや幻想だ、幻想に決まってる、そうじゃなきゃ……………先生が全裸で、しかも隠さなきゃいけない場所にしかチョコを塗っていないわけが無い!いや、それでも充分アウトだけど!
「先生、もしかしてだけど今日1日コート脱がなかったのって…………」
「ああ!コートの下はこれだったからな!チョコが体の熱で溶けてくるからその度に塗り直してて大変だったぞ!」
……………佳南の上を越してきたよこの人、とんでもねぇよ
「って先生!早く服着てください!」
「そうは言いつつも植付、ガン見じゃないか♡」
「はっ?!」
男の本能が?!
バゴォン!
「「「「「へぇ…………たのしそうだね?私も混ぜてよ」」」」」
あ、詰みゲーだこれ
「なんだ、またお前らか、邪魔ばっかりしおってからに」
ヤバい、どうにかして逃げないと………ん?
「なんでみんな、コート着てるんだ?」
猛烈な既視感が…………
「先生に先越されちゃったけど………!」「私だって今日帰ったらお兄ちゃんに渡すつもりだったの!私を!」
………………………ん?
「えーと、まさか?」
「「「「「こういうこと!」」」」」
バサッ
「…………………………スゥー」
プツン
………………………………パーティーの時間だ
▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂
このあと、チョコまみれの学生6人と教師1人が生徒指導室で全員全裸で見つかったらしいですよ
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