はい、詰みは唐突に来ます

「植くんの脳は正常だよ?もう1回言ってあげる!私と!一緒に!逃げればいいんだよ!」


出来れば脳の方がバグってて欲しかったかなぁ!


「え、えーっと、俺たち、出会ってまだ1時間も経ってないよね?」


「運命に時間も場所も関係無いんだよぉ!」


日本語の通じない人だった!


「というわけで~えいっ♡」


ガシャン!


「…………ガシャン?」


「うふふふはひほふひひひらふらりひひひ♡」


「あのー、なんか手首に重い物があるんですけど……………」


「きひひひひひひひひひひひひひひひひ♡」


そしてさっきから笑い方が怖いんですけどぉ!


「えっとー、これからどこに?」


「もちろん!ハネムーンだよ!」


なにがどうなったらもちろんになるの?!


「安心して!行き先は私が買い取った無人島だから!」


「何を安心すればいいの?!安心どころか不安材料しか用意されてないんですけど?!」


無人島なんか連れてかれたら一生戻ってこられなくなる!


「えーと、無人島より俺は夢の国とかユニバーサルな日本とか行きたいかなぁ…………なんて」


「……………………………………」


無言ってこの世で一番怖いって事を今理解したよ!


「…………………全く、しょうがないなぁ」


「え?」


「どっちに行きたいの?」


「え、あ、じ、じゃあ夢の国で………」


「おっけー!じゃあ今から行こっか!」


「今から?!」


「うん!」


行動力半端ないな?!


「ちょっとまっててね?…………………タクシー!」


キキーッ


「へいよぉ!どこまでだい?!ご夫婦さんよぉ!」


「キャッ♡そんな、ご夫婦だなんて………あ、夢の国まで飛ばしてちょうだい」


「あいよぉ!しっかりかっ飛ばすからよぉく捕まってろよォ!」


「さぁ植くん?ドライブデートと洒落こみましょう?」


「お、おう」


………………タクシーって叫ぶだけで普通止まらなくない?なんかタクシーのおじさんもノリノリだったし……………


「なぁんか怪しいんだよなぁ」


「何が怪しいの?植くん」


「ん?ああ、いやぁなんか作為的な物を感じるなぁって思って…………?」


ん?変だな、今俺はタクシーに乗り込もうとしている、目の前には既に乗り込んでいる謎の女の子、しかし声は俺の後ろから聞こえてくる……………


「また別の女の子引っ掛けてるんですか?せぇんぱぁい?」


「お兄ちゃん?監禁からの禁断の愛フルコース決定だね?」


「植付くん、明日学校行って生徒会室一緒に行こうね?……………しめ縄と、ローションと、三角木馬と…………」


「植付?内申点下げられたくないよな?大学行きたいもんな?じゃあ後で先生の家に逆家庭訪問な?」


「植付くん、あの、えっと、ここから夢の国までタクシーだとめちゃくちゃ時間かかるよ?電車で一緒に行かない?」


「植くん?ねぇ、私を置いてどこへ行くつもり?」


「…………………スゥー」


我、悟りへと至る




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