はい、救いはありません

「だからね、絶対に言わないでね?明日は2人っきりがいいんだから」


「お、おう………」


 なにこの子!不意打ちでキュンキュンさせてくるんですけど!






 ▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂







 俺達はその後着替えて下に降りて、ご飯を食べたのだが………


「すーすー…………」


「か、佳南?」


 1口食べて寝てしまった、今日は相当疲れてたんだな…………って!


「そうはならんわ!魅空!なにした?!」


「え?即効性のある強力な睡眠薬を入れただけだよ?」


 なんつーもんを夕飯に仕込んでんだよ!

 これは少し怒らなければ………


「そんな事より、ねぇ、お兄ちゃん」


「なんだ、魅空、言っとくが、俺は少し怒って…………」


「海って、どういう事?」


 ピシッ


「え?」


「この雌犬と、2人っきりで海って、どういう事?」


 ………………………なんでバレてんの?


「お兄ちゃんの事で私が分からない事があるとでも?………………って言いたいところだけど、璃那《りな》ちゃんから聞いたんだよね」


「璃那?…………………ああ、喰斗の妹か」


 俺の友達の喰斗には妹がいる、名前を大谷 璃那といい、魅空の友達だ。あっちも血が繋がってない義兄妹らしい

 ちなみに、


「今日も喰斗のやつ朝からげっそりしてたけど」


「璃那ちゃんが朝から搾り尽くしたらしいよ、本人が言ってた」


「さいですか………」


 喰斗の妹も魅空と同じレベルでブラコンを拗らせている、いや、あっちはもうとっくにヤってるからあっちの方が1段階上か、って喰斗の野郎!


「あいつ、教室での会話聞いてたのかよ……!」


 しかもばらしやがって………!


「まぁ私達もいつかはああなるとして……」


「いや、ならないからね?」


 後であいつは1発殴るか………


「で、お兄ちゃん、海ってどういう事?なんであの雌犬と2人っきりで行こうとしてるの?」


「いや、その………」


 ヤバい、どうにかして誤魔化さなければ……


 ピンポーン


「あ、ピンポン来たからちょっと出てくるね!」


「あっ!ちょっとお兄ちゃん!」


 誰だか知らんがありがとう!これで少しは考える時間が………


 ガチャ


「先輩」

「植付」

「植付くん」


「「「海って、どういう事?」」」


 神は死んだ




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