はい、キュンとします

 翌日、俺達7は海にいた


「……………………………植くん?」


「誠に申し訳ありません」


 事の発端は昨日の夜に遡る―――




 ▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂





「ただい―――」


「おかえりお兄ちゃん!」


「待ってゲフゥ!」


 タックルはやめてって言ってるのに!


「スゥー…………んはぁ♡お兄ちゃんの匂いだぁ」


「おい、なに私の植くんに許可なしに抱きついてんだ離れろこの雌犬」


「あ、いたんだ、私より影も胸も薄くて分かんなかった」


「あ?」

「は?」


 なんで家帰ってきて早々修羅場に突入すんだよ!


「ほっ、ほら!とりあえず佳南は着替えて着替えて!魅空も今日のご飯係でしょ?!俺、魅空の作ったご飯食べたいなぁ!」


 頼む!かかってくれ!


「うっうん!お兄ちゃんの為にめちゃくちゃ美味しいご飯作って待ってるね!」


 よし!かかった!

 ちなみにご飯や家事は一日ごとにその日の係を決めてローテーションしている

 今日は魅空がご飯を作る係で佳南が掃除、俺が洗濯だ

 洗濯の当番を決める時にあの二人が

「植くんは洗濯はしなくていいよ!むしろ私にさせて!」

「そうだよ!お兄ちゃんは洗濯はやらなくていいよ!お兄ちゃんの服を堪能……もとい!洗濯したいから!」


 このように一悶着あったがなんとか週に3回は洗濯の権利をもぎ取った

 まぁ、残りの4日間は2人が洗濯しているからなにをしているのかは知らない、むしろ知りたくない


「じゃあ俺は2階で着替えてくるね!」


 危ねぇ!また修羅場になるところだった!

 さて、とりあえず部屋で着替えて……


「植くん」


「うおっ!な、なんだ佳南か……急に後ろから話しかけないでくれよ、びっくりしたわ……」


「そんな事より植くん」


「なんだ?」


「明日海に行くって事、雌犬に言ってないよね?」


 人の妹を雌犬って………


「言ってないけど……なんでだ?」


 みんなで行くんじゃ無いのか?


「はぁ………ほんとに植くんには女心を理解して欲しいなぁ」


「え?」


 ど、どういう事だ?


「どういう事?って顔してるね、好きな人と2人きりで出かけたいって思うのはそんなに不思議な事?」


「んぐぅ!」


 キュンキュンしちまったよ………

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る