はい、夕ご飯の献立です

「ん………ここは……」


 あれ………いつの間にか寝てたのか、俺


「あ!起きた!」


「…………魅空?」


 なんでここに?


「お兄ちゃんが倒れたって聞いたから学校抜け出して来たんだよ!」


「なにしてんの?!早く戻りなさい!」


「戻りなさいって………もう夕方だよ?」


「え?!」


 どんだけ寝てたんだ……俺


「って、そうだ!あの二人は?」


「チッ、やっぱりあの二人の心配をするんだ……………まだ寝てるよ、幸せそうな顔してる」


「そ、そうか……」


「それより早く帰ろ!お腹減った!」


「そうだな、帰るか」


 結局授業何も受けずに終わっちまったな、後で喰斗に教えて貰うか


「お兄ちゃん!ご飯なにがいい?」


 そうだなぁ


「なんでもいいかなぁ」


「なんでもいいが1番困るんだよなぁ……そうだ!一緒に買い物しながら決めようよ!」


「おっ、それいいな!」


「えへへ!じゃあ決まり!ほら、買い物行こっ!」


 可愛いなおい!


「じゃあ行くか!」






 ▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂






 と、さっきまで和気あいあいとしていたはずなんだが………


「お兄ちゃん!こっちのお肉おいしそうだよ!………………………どけや発情猫」


「先輩、こっちの魚の方がおいしそうですよ?………………………邪魔な雌豚だなぁ」


 小声で言ってるつもりでしょうけど聞こえてますよお二人さん!

 はぁ………ほんとどうしてこうなった

 事は20分前に遡る――



 ▂▂▂▂▂▂▂▂



「お兄ちゃん、お肉と魚だったらどっちがいい?」


「んー、魅空が好きな方でいいぞ?」


「ほんと?じゃあお肉で!」


 ……………………可愛い


「あれ?先輩じゃないですか」


 ん?


「海月か、買い物か?」


「はい、今日はセールなので1週間分の食材を買い込もうと思って」


「……………意外に家庭的なんだな」


「意外ってなんですか意外って!これでも私一人暮らしなんですから、一通りの家事ならできますぅ!」


 一人暮らしだったのか


「親が家に来たりするのか?」


「…………………………あの人達は、私に興味なんてありませんよ」


 やべぇ!地雷踏んだ!


「……………………今日、家でご飯食べてくか?」


「え?!」


「は?」


 あ、ヤバい、今度は魅空の地雷踏んだかもしれん




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る