はい、佳南とデートです

「もう7月かぁ……」


「植付くんとデート♪植付くんとデート♪」


 ………………クソ暑い


「佳南、暑いから離れてくんない?」


 ……………と言いつつ、本当は腕に当たる感触のせいで前かがみにならないと歩けないから離れて欲しい……


「は?なんで離れて欲しいの?なんで?私の事嫌いなの?ねぇ、なんで?なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで」


 ヒイィィィィ!!怖いよぉ!

 はぁ………なぜ貴重な休みの日にこんな思いをしなくちゃいけないんだ………ちくしょう、俺があんな事言わなければ……


「ねぇ、植付くん、なんでもするって言ったよね?」


「…………………はい」


 そう、俺が佳南に、なんでもする、って言ったのを録音されたせいで約束を守らざるをえなくなってしまったのだ(10話目参照)


「じゃあ、いいよね?」


「………………………………………はい」


「うん!じゃあ行こっか!」


 …………前かがみ、キツイんだよなぁ


「とりあえず朝ごはん食べに行こ?」


「うん」


「…………………植付くん、なんでさっきから前かがみなの?」


「え?!いやその」


 ヤバい!反応してるのがバレる!


「何隠してるの?」


「い、いや?!何も隠してないよ?!」


「嘘つき、私が植付くんの嘘が分からないとでも思った?」


 やべぇ!八方塞がりとはまさにこの事だ!


 グイッ!


「ほら!ちゃんと歩いて……………………え?」


 ……………………………………………………………………………………死のうかな


「………………………………………ぶはっ」


 バタン


 え?!


「佳南?!おいどうした!」


「うひ、うひひひひひひひひひひひひひ」


 うわぁ………美少女にあるまじき表情してるよ


「うひひひひひ…………植付くんの植付くんが……」


 ………………まさか、それで興奮して倒れたのか?


「いひひひひひひひひひひひひ……………」


 ……………………………………マジか




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る