はい、またもや修羅場です

「くっ………そうか匂いがあったか!盲点だった……!」


 え?なに俺って臭いの?嘘だろ…………早く帰って風呂入りたい……グスッ


「植付くんは私のものなんだよ!お前みたいな泥棒猫に渡してたまるか!」


 だから俺は誰のものでもないって……


「ふん!長く一緒にいたせいで女として見てもらえてない負け犬がなにをほざいてんだか」


 いや!女として意識してない訳ないだろう?!佳南のやつ、毎日放課後うちに来て胸やら太ももやら帰るまでずっと押し付けて来るんだぞ?!こんなの女として見ない方がおかしいだろ!


「そんな訳ないでしょう?むしろ貴方の方が女として見られてないんじゃない?そんな男みたいな胸じゃ……ねぇ?」


 ま、まぁ……確かに会長のお胸様は……ちょっと……いやかなり……無いに等しいけど……


 グリンっ


 ひいっ!会長の首が今ありえない軌道でこっちに向いたよ?!


「ねぇ?植付くん?今とてつもなく私にとって不快な事考えてなかった?」


「いえ!滅相もございません!」


 なんで勘づかれたんだ?!これが女の勘ってやつか?!


「ほら、早く植付くんを解放しなさい、男みたいな胸した会長?」


 佳南ぃぃぃぃぃぃ!!それ以上会長を煽るなぁ!さっきからお前が会長の胸の話をする度に縄の締め付けがきつくなってるんだよぉぉぉぉぉぉ!!!!!しかもこれ荒縄だから痛いんだよぉ!


「貴様……!殺してやる!」


「上等よ、やってみなさい」


 あ、会長が縄を離して佳南の方に向かった!よし!今のうちに……


「大体貴様はなんなのだ!幼なじみだからと言っていつもいつも植付くんにへばりつきやがって!」


「貴方こそ!いつも植付くんを誘拐しては誘惑してるじゃない!初めてを貰うのは私なのよ!」


「いや!私が貰う!」


 なんか包丁やら鎌やらハサミやらやたら殺傷能力が高いものばかり飛び交っているんだが……でも、今のうちに!


 ガチャ


 よし!もうちょっとでドアに着く……ってあれ?ドアが開いた……


「せーんぱい♡」


 嘘だと言ってくれよ……ママン

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