はい、縛られて連れていかれます

 はぁ………ホントに疲れる……なんで朝からこんなに疲れなきゃなんねぇんだよ……しかもこの流れだとなぁ………


 ヒュッ!


「ん?縄?なんで腕に巻きついて……あ」


 やっぱり来たよ……

 そう思った瞬間、俺の意識は途絶えた。


「イヒッ」



 ▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂▂




「ん………………ここは………」


 お決まりの台詞を言いたい所だが、知ってる天井だから言えねぇ……


「目、覚めたかい?」


「はぁ…………また生徒会室に俺を誘拐ですか?織部生徒会長」


「イヒヒヒヒヒヒヒ!!!君は私のモノなんだよ?誘拐ってのは違うだろう?」


「その気持ち悪い笑い方やめてくださいって何度言ったら分かるんですか……それに俺は誰のものでもありません」


 この気味の悪い笑い方をしているのはこの学校の生徒会長、織部おりべ 留寧るね。普段は文武両道、冷静沈着、眉目秀麗な完璧生徒会長なんだが……


「イヒヒヒヒヒヒヒ!!!さぁて、植付くん、一生忘れられない初体験にしてあげるよ……」


 このように、俺が関わるとただの変態になる。


「ちなみに……初体験というのは?」


 万が一を考えて、質問する。さすがに生徒会が活動するこの場でナニをおっ始めようとは……


「それはもちろん!セッ――」


「言わんでよろしい!」


 おっ始めようとしてた。


「ほ、他の生徒会のメンバーは?」


「安心しろ、。なぁに、天井のシミでも数えてればいつの間にか終わってるから……」


 確かに終わるね!俺の人生が!


「誰かーー!!!助けてぇ!」


「ふふ、無駄だよ……この生徒会室は完全防音で……」


「植付くん!」


 バァン!


 いや、生徒会室の扉壊すなよ!今回は助かったけど!


「なっ……?!師子倉 佳南……!何故ここが分かった」


 それは俺も気になる、GPSとか仕込まれてたらシャレにならんからな!ん?なんでそんなこと疑うのかって?既に実体験済みだからだよ。目の前の、目のハイライトが消えた幼なじみが仕込んだせいでね!


「それはもちろん!植付くんの匂いを辿って来たんだよ!」


 むしろGPSであって欲しかった………!!!








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る