はい、修羅場です
はい、ダメでした。いやね、言い訳をさせてくれよ。一瞬は受け止められたんだよ、一瞬は。でもね、抱き止めた瞬間ね、こう、いい匂いがしてね?年齢=彼女なし=童貞の俺には刺激が強くてね?力が抜けてしまったわけですよ。まぁ、壁と委員長の間に俺がいるから委員長は無傷だと思うんだけど……
「植付くん!大丈夫?!」
ああ、委員長優しい。受け止めるとか言っておいて受け止めきれずに転んで壁にぶつかってしまったというのに怒ってない。それどころか俺の心配まで……ええ子や
「植付くん」
「ん?」
「受け止めてくれてありがとう」
…………………………ぶわっ(涙が溢れた音)
ええ子や……ええ子すぎるて………
「嫁に欲しい……(ボソッ)」
「え?!」
あ、やべ!聞こえてたか?!超絶キモイじゃん!俺!
「ねぇ?」
「ヒイッ!」
こ、この声は……
「ねぇ?いつまで抱きついてるの?それに、さっきの嫁発言は何?」
か、佳南しゃん……お願いだから右手の出刃包丁と左手のスタンガンはしまってくれないかなぁ……?
「あはっ、ダーメ」
ですよねーーーーー!しかもナチュラルに思考読んでくるよこの人!
「ちょっと師子倉さん!そんなもの女の子が持ってたら危ないじゃない!捨てなさい!」
委員長ーーーー!!!今の佳南に注意は逆効果ですよー!
「チッ、どこまでも猫かぶりやがって。ここで殺してやるわ、その後に植付くんへのお仕置ね」
ヒイィィィィィィ!!!!!お仕置って何?!なにされるの?!俺?!それに猫かぶりって何?!委員長が被ってるのは猫じゃなくてドジっ娘の皮だよ!
「植付くん!逃げなさい!ここは私が食い止めるわ!」
「委員長!でも!」
「大丈夫よ!少なくとも植付くんより私の方が強いもの!」
そう、何を隠そうこの委員長は細い体に反して、バリバリの空手部なのだ。しかも全国2位の実力者という、俺が逆立ちしても敵わないぐらいの超絶ハイスペック委員長なのだ。
ただ、天然とドジ癖があるせいで普段はそんな風には見えないんだよなぁ……俺も最初聞いた時は椅子からひっくり返ったし。
「くそっ……!いくら委員長の方が強いといえ、ここは男としての尊厳が……」
「大丈夫よ!そんなもの最初に私と会った時の自販機の下に顔が挟まってた時から無いわ!」
何故今それを言う?!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます