はい、属性山盛り委員長が走って来ます

「ねぇ、植付くん、なんで教えてくれないのかな?かな?」


「ひいぃ!」


 もうやだよぉ、怖いよぉ、目にハイライトがないんですもの。こうなったら……


「三十六計逃げるに如かず!」


「あっ!」


 よしっ!スタートダッシュさえ決まればこっちのもんだ!佳南は頭はものすごくいいが、運動神経は普通だ。毎朝ランニングして定期的に筋トレもしている俺の方が運動神経はいい!


「私から逃げられるとでも思ったの?あはっ、可愛い植付くん♡」


 えっ?なぜ隣で並走出来ているのですか?佳南さん。

 いやいやいやちょっと待て、運動神経は俺の方がいいはず。それに俺は帰宅部だが毎朝ランニングしている。つまり、同じ帰宅部の佳南が俺に追いつける訳が無い!でも、実際並走されてるし……なんで追いつけるんだ?


「あはっ、なんで追いつけるんだ?って思ってるでしょ」


「っ!」


 何こいつ?!なんで俺の思考読めんの?!なんで俺に追いつけんの?!


「愛の力よ」


「んなもんあってたまるかぁぁぁぁ!!!」


「植付く~ん!それ取って~~!!」


「ん?」


 前の方から何か転がってきたな、ほいっと。


「取ってくれてありが……あれ?!止まれないよぉ!」


 ん?前の方から次は声がす……


「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!」


「委員長?!」


 彼女は美奈井みない なごみ、俺のクラスの委員長だ。彼女は黒髪のロングヘアーで身長170センチと、俺より5センチ低い、女子にしては高い方の身長を誇るスラッとした体型の持ち主の美少女だ。しかし、彼女にはそれより目立つ点があって……なんと!天然ドジっ娘おバカさんのメガネっ娘貧乳委員長なのだ!って解説してる場合じゃねぇ!ここ坂道だから急には止まれない。このままだと委員長が俺の後ろの壁にぶつかってしまう!それだけは阻止せねば!幸い、俺がいるのは坂道を登る前の平坦な道だ。


「よし!委員長!大丈夫!俺が受け止めるから!」


 ニヤッ


「お、お願いしま~す!」


『ん?委員長が一瞬、ニヤってしたような……』


 って、そんな事考えてる場合じゃない!受け止めないと!足を広げて、腰を低く落とす。よし!


「バッチこーい!」


 朝のランニングで鍛えた足腰を舐めるなよ!









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