Lv14ババアかジジイかは初見じゃ無理
「「いや、どこにッッッ!!」」
『決まってないんですか……? せっかくの感動シーンだったのに冷めちゃいましたよ』
「それはごめん」
そういえば僕にはこの異世界を冒険する明確な目的がないのだ。普通だったら魔王を討伐する、ゆったり異世界を楽しむ、など物語には明確な目的いわばゴールが存在するのだ。だが僕には、そんなものは存在しない……それがこの物語のいいところ……いいところということにしたい……いいところだということにしてください。
『でも、あなたは”歩くだけでレベルが上がるスキル”なんですから色んな場所を歩いて冒険してみたらいいんじゃないですか?』
「うん、確かに。僕も歩くの楽しくなってきたところだから、一石二鳥だな」
『『あッッッ!』』
ハルエンが目を見開いた……!
『バサバサ砂漠で占ってもらえばいいんですよ!!』
「へ?」
訳のわからん謎の砂漠に思考は停止する。
『ここから2キロくらいの砂漠にすごく当たると有名な占い師がいるんですよ!だから、その人に今後どうしたらいいかとか色々占ってもらったらいいんじゃないですか?!』
「グッダイディア!(good idea!)]
行く宛のない僕は、ハルエンの言う通りにバサバサ砂漠に行くことにした。
◆
あっさりとハルエンらと別れて、もらった地図通りにバサバサ砂漠に向かっていく……みたかんじ地図はとても広く、壮大な大地が広がっている。だが所々やぶれていたり、汚れていてはっきりと読み取ることはできない。
「暑いな……」
やはり地方ごとで気温や天気も異なるようで、バサバサ砂漠に近づくにつれて空気も乾いて汗ばんでくる。外で汗をかくのは久しぶりである……いつもは故障気味のエアコンでは、刃が立たない夏の暑さで汗をかくくらいだった。これも新鮮な感覚である。
「「喉が乾いたッッ!!」」
すさまじく喉が乾いている!水分を求めているんだ!そういえば大食いのあとからずっと水分は摂取していない!このまま続けたら脱水症状になってしま――
「「「ドサッッ」」」
◆
「ん、うう……」
僕は突然目を覚ました。部屋の中にいる……そしてベッドで横たわっている(そういえば元の世界だったら畳に敷布団だったから、これも新鮮な感覚だな)、脱水症状で倒れたのだろうか……
突然視界になにかが映り込む――――
「ババアァアッッッ!!」
『大丈夫だったかいのぅ……道のど真ん中で倒れ込んでおったようじゃが』
どうやら脱水症状で倒れた僕を助けてくれたらしい。
『水が足りてなさそうじゃったから、ぶっかけてやったわい』
……うん、どうりで布団がビシャビシャなわけか。
「なんで外側から潤すんですか!内側から潤してくださいよぉ〜!」
『君、助けてもらっといてそうやって文句をいうんけぇ? 貴重な水を使って助けてやったのによぉ……あと、さっきババアっつったがワシはジジイじゃぁぁあああッッッ!!!』
「本当に申し訳ありません」
またひとくせありそうな人に遭遇したな……
歩くだけでレベルが上昇する超効率的最強スキルを手に入れたので、まったり異世界を楽しんで探訪しながら強くなります。 ふきゅい。 @yuiyuiyui1031
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