Lv11 今は靴より食事が先


 鳥の鳴き声が聞こえる……どうやら朝を迎えたようだ。もうお腹が空き過ぎて逆にお腹が空いてない……なんてことは一切なく、現在進行中で空腹であります。


「う、ううぅ、全然寝れ、たぁ〜〜!!」

『いや、寝れたんかいッッ!!』


 僕は転生前の生活でも、食っちゃ寝の生活だったので寝る事は得意だったし、昨日の疲れが溜まっていたので空腹に勝る睡魔に襲われて爆睡していたのである。まぁしかし寝起きのハルエンのツッコミは頭に響く……


『ふぅ、お腹は空きますが師匠の元へ帰りますか……』

「確かに、3つの材料が手に入ったしね……」

『あ、あれ……!?』

「ど、どした……」


ハルエンが見るからに焦っている。


『ボンドロ牛の革が……ヌスミザルに………!』

「え、ぇええ〜!? 盗まれたの!?」

『うっそでぃ〜〜っすッ!』


「「ゴキャッッッ」」




               ◆



『もうすぐ着きますよ……シャマラン市場に……』

(スキル”治癒”をしてもらい、治してもらった)

「あぁ、お腹空いた……さっさと納品しようね……」


シャマラン市場に帰っても、お金が無いと何も食べられないのにそんなことは頭にはすっかり無く、僕は食べ物をたらふく食べられると思っていた……


――シャマラン市場――


『師匠〜〜ッッ!!帰ってきましたよ〜ッ!!』


ハルエンが元気良く叫んだ。お腹が空き過ぎて、こんな些細なことにもムカついてきた……


『おおぉッ!!よぉ帰ってきたのぉッ、待っとったぞぉッ』

『師匠ッ、”ガチガチヅル” ”コンコウ石” ”ボンドロ牛の革” を採ってきましたよッッ!!』

『よっしゃぁッッ!オイラの一級品の靴、作っちゃるけぇのうッッ!!』

「ありがとうございます……」


空腹過ぎて、声が上手く出ないのだ……


『ありゃあ……あまり嬉しくなさそうじゃなぁ……?』

「い、いえ……そんな事無いですよ……?」

『飯でも食うかぁ?』

「あぁぁありがとうございますッッッッ!!!!!」


喉がちぎれるくらいの大声が出た……当然である。空腹すぎて置いてある靴が伊勢エビにしか見えないくらいの末期だったからである……


『おぉぉう……相当腹が減ってたんだな、今回はオイラが金を出してやるから腹いっぱい飯食ってこいッッ!!!』

「あぁぁあありぎゃとうござざあああいますッッッッ!!!!!』


僕とハルエンの二人で市場の中にある食堂のような所に行くことにした……



――モノヲノミコンダラカナラズトオルトコハ食堂――


「斬新な名前だなッッッ!!!なんだこれ、物を飲み込んだら必ず通るとこは食道……じゃねーよッッ!!」

『いや、そういうのいいんで。早く入りましょう……』


ハルエンも相当、お腹が空いているようだ……






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