Lv8 手を振りはらっただけ
「親ボンドロ牛だぁぁああッッッ!!」
振り向くと、自分達の体をゆうに超えるほどの巨大な親ボンドロ牛が睨むように立っていた……当然である、我が子が殺されてしまったのだから。
『うっひゃあッッ!こいつぁ、見たことがねぇくらい巨大なボンドロ牛だ!!こいつぁ”主”レベルだぞぉぉッッ!!!』
どうやら、この大きさのボンドロ牛はさすがのハルエンも見たことが無いのだろう。完全に興奮状態である……
『では、任せましたッッッ!!』
「お前わいッッッッ!!!」
『こんな巨大なの倒せるわけないですよッッッ!! 俺は”木化”しかできないので!』
「「「モォォォオオオオオオオンンンッッッッッ!!!!」」」
親ボンドロ牛が怒りの雄叫びを上げる。音の衝撃波が体を包み込む……!!!
『や、やばいッッ!!襲いかかって来ましたよッッッ!!逃げま――』
話す間もなく、ボンドロ牛が襲いかかってくるッッッッ!!!!
「うぁぁああああッッッッッ!!!!!」
僕は
「「「ズドォォォオオオオオンンンッッッッッ!!!!」」」
親ボンドロ牛は物凄い衝撃で地面に叩きつけられた。ただ手を振り払っただけである……
『ぉぉぉおおッッッ!!! 一発で親ボンドロ牛が気絶しましたよ!? なんて怪力なんですかッッ!? もはや怖いんですが』
「僕も自分の強さが怖いよッッッッ!!」
自分の強さが怖い……そんな言葉を放つ時が来るなんて一度も思ったことはなかった。
『よし、革剥ぎますかぁ!!』
「え、それグロい……?」
『フフフ、さあどうでしょうねぇ……でもかなりデカイんでこれはすごいのがとれそうだ……』
「「ギッシャアッッ!!」」
「「ブシャアッッ!!」」
「「ブチブチィィッッ!!」」
「「グチョグチョォォ!!」」
「「音で分かるグロさ!!!」」
『いやぁ、この瞬間が気持ちいいんですよね〜 よし、巨大な親ボンドロ牛の革と子ボンドロ牛の革がゲットできたんで帰りますか!!』
「うん、やっと3つ揃ったね……」
もうすっかり夜である。気づけば、材料集め開始から半日が経過しようとしていた。 転生前の生活とは比較にならないくらい時間の流れが早く感じる……まぁ、室内の怠惰な生活もいいが、外の空気を吸って体を動かすのも案外悪くは無い気がする……
『さぁ!帰りましょう、と言いたい所ですが……』
「……ですが?」
『この森、夜になると気性の荒い魔物がウジャウジャ現れるんです…… なので
今回はここで一泊して、明日の朝ゆっくり帰るとしましょう……』
「でも、野宿ってなると食べ物がいるよ? 僕、そうとうお腹すいたし……」
『フッフッフッ、安心してください……ボンドロ牛の肉をさっき少しだけ採ってきまし――』
『『あれッッッ!!??』』
ハルエンが物凄い顔で辺りを見渡している……やはり一筋縄で安心できるわけないのだ。
『やられたッッッ!! ヌスミザルだ!』
どうやらヌスミザルにやられたらしい…… (?)
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