Lv7ボンドロ牛には印をつけとけ

「僕はこんな高い所から飛び降りるとか無理だから!!」


というわけで僕はこけて全身真っ赤さ、マッカーサーにならないように気をつけながら下に降りていった……




               ◆



『遅かったですねぇ、待ちくたびれましたよ』

「ショートカットで飛び降りる訳無いだろ!! 自分の身もあぶないし、せっかく採ったコンコウ石が粉々になったりでもしたらどうす――」


地面には無数の白い粉が散乱していた……


「コンコウ石粉々なってんなぁぁああッッ!!」

『ぁぁぁあああああッッッッッ!!!!」

「いや、きづいてなかったんかいぃぃいッッッッ!!!」


集めていたコンコウ石の約半分が粉となってしまった。


『くそぉぉッッ!またやってしまった……これで何回目だっていうんだよ、あの時だって、あの時も、そいえばあの時も……』


「常習犯ッッッ!!」


『いやぁ、でも着地の時の足の裏へ伝わる衝撃が癖になってしまって……』


「キショ性癖ッッ!!」


どうやらハルエンはよっぽどヤバイやつのようだ……




             ◆




『さっ、気を取り直して行きましょう!!』

「うざいテンション……で、ボンドロ牛はどこに生息しているの?」

『ボンドロ牛は”ボンドロ牛の住処すみか”に生息しています』

「ここからどのくらいかかるの?」

『五分くらいですかねぇ」


今日だけでかなりレベルアップする気がするんだが……


ボンドロ牛の住処への道のりは草木が生い茂っており、行く手をはばむ……

こんな森林の奥に牛が居るなんてまったく想像がつかない。


『もうすぐ着きますよ!』



――ボンドロ牛の住処


森林を抜けた先には広場のような空間が広がっており、みるからにボンドロ牛のような生物が生息していた……


「あの目の前のがボンドロ牛?」

『いいえ、あれはポンドロ牛です』

「じゃあ、あの茶色っぽいのがボンドロ牛?」

『いいえ、あれはホンドロ牛です』

「じゃあ、あの奥の牛がボンドロ牛?」

『いいえ、あれはメタリスクアンテロープです』


「「どれッッ!!!」」


『あ、今近づいてきてるコイツです』


体のすぐ横に、ボンドロ牛の子牛がやってきた……


「わぁ、意外と可愛い……僕、意外と動物好――『『ブシャァァッッ!』』……き」


ハルエンが刃物で子牛をぶった切った……凄まじく怖い、意外と動物好きアピール最中だったので余計怖く感じる……


『うっしぃ!ボンドロ牛は大人より子供のほうがいい革が採れるんですよ。 覚えててください!』


……そんな事を覚える余裕がない衝撃で、トラウマランキング一位になるレベルの恐怖である。ちなみに元一位は台所のカビである……


『よぉし、できればもう一匹くらい革を採りたいですけど……』

「ねぇ、ちょっとまって」

『どうしたんですか?』


僕は後ろからとてつもない鋭い気配を感じていた……





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