余計なお世話
私は、未成年にもかかわらずお酒だけでは飽き足らずたばこにも手を出していた。
もちろん、寮の規則は法律厳守が基本のため、1人暮らしが始まってからである。
父親がヘビースモーカーで、部屋の天井や壁はヤニ色
家庭用電源で遊べるスロット実機を打ちながら、私を胡坐の上に乗せたばこを吸っていた父親
ギアチェンジしながら、片手はハンドル、口にくわえたばこの父親
様々なたばこシチュエーションを幼少期に英才教育されていたため、吸い方も銘柄も分かっていた。
とはいえ、顔も体格も明らかに未成年では買えないと分かっていた私は、メイクの動画を見ながら、大人メイクを施し、大人のような服を身につけ、購入した。
美味しいものでもなく、ただ虚無感と残る灰が私を変な気持ちにしたことを覚えている。
当時お付き合いしていた彼(別作品:セントレア)に止められ、禁煙し、私は高校4年になるまではたばこから離れていた。
しかし、その後にお付き合いした彼(別作品:たらこバター)との交際のストレスにて喫煙を再開し、彼の浮気は咎められず、私の喫煙とメンヘラが理由で振られた。
大学に入るにあたって、私は喫煙はやめようと決めたはずだった。
福祉の大学、しかも保育に携わるのだからと。
しかし、誘惑に勝てなかった。サークルの先輩の半分が喫煙者で、懐かしい香りにつられて1本だけもらった。
その先輩はイケメンで、同居人(彼女なのにそのように呼んでいる)がいて、私に告白をしてきた人。
「無理して全部吸わんでいいよ。」
そう言いながら、私の背中をさすり、残したたばこをもらってくれた。
私はその日から、何かと理由をつけて害のないたばこを吸っていた。
月日がたち、子どもを失い、子どものパパにも捨てられ、私は紙たばこにまた手を出した。
美味しかった。
前は美味しいなんて思わなかったたばこが、身体に染みわたり、私は深く息ができた。
特に意味もなく、たばこを吸う手と灰皿をインスタグラムのストーリーに投稿した。
すると、色んな男から連絡がきた。
その中に、ヤリチン先輩がいた。
「なぎさ、たばこ吸ってるの?」
「たばこよくない、やめなよ」
そんなくだらない連絡だった。
私は適当に返信をした。
それに対する返事はなかった。
これで、私とヤリチン先輩は終わったのだ。
そう思った。
電波塔 澪凪 @rena-0410
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