第13話

「光蘭は いかがした」



「はい 娘を一人生みまして

二年後亡くなりました

娘は その父親と 一緒に

暮らしております」



「そうであったか

ばばあ いや そなたらは

皆悲しんだであろうな

引き取らなかったのだな」


「はい 光蘭の望みでありましたから」


「そうか」


「その娘 我らの姪が 石を持参致します」


「皇帝の譲位が迫りつつある

あまりゆっくりはしておれぬ」


「存じております

ただ……」


「ただ どうした?」

「はい 今回兄が 姪に衣装を贈り

礼儀作法も その父親に習わせておりまして

あまり時間をかけぬように 申し伝えており

ますが

兄が 姪可愛さよりも

勿論それも含んではおります しかし

それ以外の 何か思惑でもあるのでは

ないかと 少し気になっております」


「光牙の考えることは読めぬから

あまり気にすることはない」

「畏まりました

明日にでもまた 確認して参ります」

「たのむ」

「はっ」






「兄上 如何でございますか?

明蘭の方は」


「先程 鄭関に 明蘭と共に 石を持参せよ

と 使いを出した」


「真ですか では王宮に私が今から

その事を……」


「まて 慌てるでない

王宮には明日 参上すると

王様に 紫絖様にお伝えせよ」


「明日でございますね

畏まりました」

「さてと

明蘭の部屋は準備できておるか?」


「はい 光牙様

大奥様が 気合いをいてされておいでになり

まして 既に整っております」


「母上がのう……光蘭とは違うのだが

分かっていらっしゃるなら よいが」


「久しぶりの 姫故に 仕方ありませぬ」

「その方が婚姻を結ばぬからではないの

か?

娘の一人くらい作って差し上げれば

母上も暇が無くなるものを」


「兄上には 言われたくありませぬが」


「やぶ蛇というものか ふふふ」



















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