第5話恐怖・モスキート男

ピンポンパンポン


「オレが夕焼けだった頃、母親は霜焼けで、父親は胸焼けだった、へへい~、シャバダシャバダ~、おっはー、チョッカー日本支部のモノよ!ちり紙博士、昨日は惜しかったね。次の怪人はいるのかな?ちり紙博士よ、この私の機嫌がいい時にV7を倒しておくれよぅ!」


「ハハッ、既に作りました。首領」

「さすが博士、怪人作りの名人だ!」

「昨日、山下公園で蚊を捕まえまして改造しました!モスキート男よ!モスキート男よ!」

「ブ~ン、ブ~ン、お呼びでしょうか?ちり紙博士!」

「そうだ、首領様に技を見せてやれっ!」


モスキート男はチョッカー戦闘員の1人に針を刺した。ものの数秒で戦闘員はミイラになった!

「素晴らしい技だ!モスキート男よ!博士、この怪人なら、山田猛こと仮面レイダーV7、おやっさんこと東国原博士を倒せるな?」

「もちろんですじゃ。行ってこい!モスキート男よ!」

「モスキート~、モスキート~」


今日は、おやっさん家族で山田猛はご馳走になっていた。

「猛、遠慮するな、飲んで食え。うちの母ちゃんの作る飯は旨いんだ」

「おやっさん、羨ましいな~」

「おっ、そうだ、今から縁側で枝豆つまみに、月見酒だ!」

「良いでしょう」

2人は並んで空を見上げ、日本酒を飲んでいた。


「モスキート~、モスキート~、もっと酒を飲め!山田猛、東国原博士よ!酔い潰れた頃に、ミイラにしてやる」

「しかし、おやっさん、残暑厳しいのに、蚊が一匹もいませんね?」

「そりゃそうだ、スーパー虫コナーズをぶら下げているからな」

「へぇ~、さすが元城北大学生物化学科教授だ!」


「な、何だって~、私は単なる山下公園のヤブッ蚊の怪人、スーパー虫コナーズじゃ、近寄れん」

「どうします?モスキート男様?」

「部屋には、殺虫キッドが使われてるし、逆にどうしよう?」

「前の戦闘員のバイトリーダーは処刑されました。まだ、私は死にたくない!」

「モスキート~、オレもこのままじゃ、処刑だ!」


「な~に、さっきからごちゃごちゃ話してやがる!喰らえ、スーパーキンキンチョール」


「うぎゃ~!止めてくれ、おやっさん!」

「うんにゃ、止めん。死にやがれ!」

「どうしたんです?おやっさん」

「いや、デッカな蚊がいたから殺したんだ」


ちり紙博士は、モニターを見ながら深いため息をついた。

「やっぱり、蚊はスプレーに弱いのか~」

バイトリーダーが、アジトに帰ってきた。

「ちり紙博士、私らも処刑ですか?」

「いいよ、許してやる。明日、始末書書いたらそれで終わりじゃ」

モスキート男の遺体はないので、その晩お別れ会が開かれた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

仮面レイダーV7 羽弦トリス @September-0919

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ